魔境-ミラーナイト-
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が指摘してきた。
「貴様からも、匂うぞ…」
――――血の匂いがな
(彼が、ウルトラマン…!)
アンリエッタは、正直驚いていた。確かにシュウは普通の人間じゃない。どこか遠い場所から来たことは確かだし、ハルケギニア人とはそもそもあらゆる面で違う何かをにおわせていたが…。
いや、だがそれ以上にはっきりしていることがある。
(ウルトラマンまで、邪魔をするのですね…!)
この国のために戦ってくれたこともある恩人、そして英雄とも思っていた。だがこうして自分とウェールズの道を阻んでいるということは、結局彼らは自分を国の平和のための道具か何かにしか見えていない。寧ろそんなことは考えてもいないのに、邪魔をされ続けている不快感から、アンリエッタはそう思いこんでしまった。
「さて、僕らの方もそろそろはじめようか。時間が惜しいからね」
ウェールズは杖を取り出して戦闘態勢に入る。
サイトはふと、視線をネクサスの方に向ける。あの悪魔の方は彼に任せよう。自分たちはまず、ウェールズをどうにかしなければ。
「ルイズ、下がってろ。援護を頼むぜ」
「わかってるわ。皇太子さま…すみません。お覚悟を!」
再度構えなおした際、今度はウェールズが先手を打ちに風魔法を放つ。サイトはそれを剣の一振りで振り払い、あくまで峰打ちだがウェールズに剣を振り下ろそうとする。しかし、直後にアンリエッタが来ないで!と叫びながら水の壁を作り出し、彼を攻撃。
「ぐ!」
「ウェールズ様には指一本触れさせない…!」
デルフを盾代わりにすることで防ぐサイト。しかし水の壁はデルフの刀身に触れている箇所だけは吸収されていってるものの、彼女の意思の元さらに激流はサイトを押し返そうとする。しかし、アンリエッタに向かって一発の小さな爆発が起こった。
「きゃ!!」
「アンリエッタッ…!」
「姫様と言えど、私の使い魔には指一本触れさせません…!」
爆風を受けて少し吹っ飛ぶアンリエッタに、ルイズは震える声で言い返す。
「ルイズ…あなたなにをしたかわかっているの…!」
ドレスが土まみれになって立ち上がるアンリエッタは静かにルイズを睨んだ。
「アンリエッタを土で汚すとは…もう容赦はすまい!!」
アンリエッタを攻撃されたことがかなり自らの神経を逆なでされたのか、ウェールズは怒りを露わにして彼女の傍らに立つ。
彼はパチン指を鳴らすと、ダークフィールド内の空間に稲妻のようなものが走る。すると、その稲妻のような歪みの中から、一体の巨大生物が姿を現す。
城内部で発生したダークフィールドに現れシュウを襲ったビースト、ガルベロスだった。
「グルルル…」
「怪獣!?」
現れたガルベロスの、一目見ただけで血に飢えているのが丸わかりな姿を見て、ルイズとサイトは戦慄した。あんな化け物と操
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