暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
悪夢-ナイトメア-part2/新たな強敵
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その頃、変身を解いたサイトは城の近くの建物の間からひょっこりと姿を見せた。
「くそ…逃げられた…!」
悔しげに建物の壁を拳で殴る。ゼロもまた敵をみすみす取り逃がしてしまったことに難色を示していたが、冷静さをなるべく保とうと、先ほど戦った謎の鏡の戦士の戦法を思い返した。
『それにしても、なんてトリッキーな技を使ってくる奴なんだ。鏡の中に潜んで攻撃してくる上、俺たちが来たときにはとっくに自分のテリトリーを作り出していたなんて…』
そのくせ光線に対する反射性の高い鏡を作るとは。用意周到というか、とにかく強敵だったことには違いない。
「サイト!」
声をかけられ、聞こえてきた方へと顔を向ける。そこには、夜風対策のためローブを着込んでいたルイズがいた。
「る、ルイ…」
「この馬鹿あ!!」
「うごあ!!?」
サイトが返事をする前に、ルイズの一発の蹴りがサイトの股間にクリーンヒットした。悶絶するサイトをゲシゲシと踏みつけながら、ルイズはとにかくその日の鬱憤を吐きだした。
「せっかくご主人様がお店であんたのためにいろいろ用意してあげたのに…あんたってやつはまた勝手に!!」
「わ、悪かったって…でも、スカロンさんにちゃんと言っておいたし…」
「それ以前に一言私にいっておくものでしょうが!!…また一人で…勝手に…ぐず」
言葉をつづるうちに、親と逸れていじけた子供のように、ルイズは目じりに涙をためる。
ああ、心配してくれてたのか…。こうしてべそをかく彼女は不謹慎だとわかっていても魅力的でかわいらしい、守ってやらねばと思ってしまう、どうしようもなく惹かれてしまうのを感じるサイトだった。
「ごめんな。シュウがどうしても俺の手を借りたいって言ってたから…」
「あいつが?」
ごしごしと、自分が泣いていたことを恥じて目をこすり、あたかも最初から泣いてないと言って誤魔化そうとしているルイズは、サイトの顔を見る。
「例のジャンバード…あの飛行機械を起動するには、どうしても俺のガンダールヴの力が必要になったんだって」
「あんな鉄の塊のために…私の苦労は水の泡となったわけね」
最初に会った時からやたら不遜な態度を示しているし、いつか痛い目に合わせてやる。知らない間にルイズに恨まれるシュウであった。
「それにしても、城が騒がしいわね」
ルイズは、城から騒ぎ声が聞こえてきているのに気付いた。城門の門番も、何やらあわただしい。たった今、銃士隊の隊員服を着た女性が門番に何かを伝えると、再び城の方へと向かっている。ルイズは悪い予感を抱く。
「もしかして、賊!?」
「え、お、おいルイズ!」
一人で勝手なのはどっちやら。ルイズは城の…それも姫に何か万が一のことがあったのではと予感し、城門に駆け出す。

城門の門番のもとに駆け寄ると、彼女は門番に止められる。

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