悪夢-ナイトメア-part2/新たな強敵
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一度は壊滅しかけ、恥知らずのワルドのおかげで内部からも白眼視され、挙句の果て我らに奉仕する平民どもは我らを『役立たず』と軽んじる屈辱が!!」
確かに、本来自分たちが守らなければならない人々から役立たずだのと言われるのは、地球の歴代の防衛チームにとっても屈辱的な言葉だった。今のヒポグリフ隊隊長は、まさに彼らの思いが人の形をとった存在そのものと言えた。他にも「ウルトラマンさえいれば貴族など不要だ」とか散々なことを言ってくる者だっている。だが悔しい話、仕方のないことだ。自分たちの脅威を相手に何一つ手柄を立てることもできない防人に対して、『頑張ったね』と慰みの言葉をかけることはできても、いつまでも役に立たなければただの犬死部隊でしかないのだ。だから焦ってしまう。自分たちの存在意義をウルトラマンたちに独占されたままであることが我慢ならなくなる。
「貴様らが何と言おうと、我らは姫殿下を取り戻す!そして魔法衛士隊に栄誉を取り戻す!出撃!」
「待たれよ!!待たぬか!!」
ヒポグリフ隊隊長が自分のまたがるヒポグリフを羽ばたかせると、彼に続いて部下たちも飛び立ち、結局ヒポグリフ隊は全員無断出撃してしまった。
「隊長…」
どうするのですか?と困り顔のマンティコア隊隊員の一人が、ゼッサール隊長に言う。すると、もう一人別の隊員が、ヒポグリフ隊に同調するように言った。
「隊長、我らも出撃しましょう!確かに彼らの言うことももっともです!」
しかし、ゼッサールは冷静に言う。
「…枢機卿にお伝えしよう。そして我らは命令があるまで準備だけは行う」
今ヒポグリフ隊隊長が言ったことも分からなくもない。でも、慎重さを欠いて功を焦って失敗を起こせば、それこそ余計に壊滅的な評価に落ちされている魔法衛士隊の栄誉も余計に地に落とし、部下たちを無駄死にさせる結果を導くこともあり得ないことではない。実際に、以前ディノゾールが出現した時、自分たち魔法衛士隊は全く歯が立たず、結果的に飛んで火にいる夏の虫となっただけだ。
その他にもモット伯爵の屋敷の謎の破壊、アルビオン王党派の滅亡、タルブを襲撃したレコンキスタの怪獣使役と、全く異なる破壊兵器となったレキシントン号…。
今回も、何か大きな意思が働いている。これまでの日常や常識を覆す事件の連続で、ゼッサールはそう思わされていた。
「『烈風』カリン…今の我らを見て、あなたはどう仰るだろうか…」
「姫様をみすみす賊の手に…一体あんたたちは何をしていたのよ!」
「ルイズ、落ち着けって!アニエスさんを責めたって何も変わらねえ!」
ルイズは、アニエスの口からアンリエッタが誘拐されたと聞くと、激しく激昂し彼女に罵声を浴びせた。サイトが激昂するルイズを押さえると、アニエスが申し訳なく二人に言う。
「いや…ミス・ヴァリエールがお怒りになるの
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