暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
悪夢-ナイトメア-part2/新たな強敵
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でここまで来てくれた大切な部下たちが、今はアンリエッタを攫った不埒な賊という共通の敵ではなく、仲間同士で殺し合っている。何が起きているのか、現実を受け入れがたく思う一方で、仁義も何もない、血なまぐさい同士討ちは続いていく。最終的に、隊長一人だけが残ってしまった。彼の周囲には、命を散らし、原因不明の蘇生を果たしたヒポグリフ隊の部下たちとアンリエッタ誘拐に加担した賊たちが集まっていた。
「う…」
さっきまで生気と活力にあふれていた自慢の部下たちの、青白くて不気味な笑みを見て、隊長は後ずさりした。出撃した時のやる気も消えてしまい、隊長はとにかく逃げなくてはと思った。だが、後ろも彼らに囲まれてしまっているため、逃げ場はない。
次の瞬間、彼の部下たちと賊たちが一斉に彼に飛びかかった。
「や、やめろ…やめ、うぎゃあああああああああああああああああああああ!!!!!」
闇に満ちた森の中、ぐしゃぐしゃと聞くだけで吐き出してしまいそうなほどの生々しい音と、ヒポグリフ隊隊長の最期の断末魔が響いた。
断末魔が消え失せてから、森の木々の影から、眠り姫となっているアンリエッタを抱きかかえる人物と大男の二人が現れる。木陰から顔を出した時には、彼らの引き連れている賊の集団と、ヒポグリフ隊の者たちは、血の色に染まった道の上をただ『あ゛〜……』と人の声とは思えないうめき声を上げながらゆらゆらと揺れながら周囲を彷徨っていた。
「愛し合う二人の門出を邪魔するなんて、殺しの世界で生きてきた俺から見ても、野暮な連中としか思えんな」
大男が自身の顔を隠すフードの下で、不敵に笑って見せた。
「そう思わないか?なあ…」
後ろで姫を抱える人物と、さらにその向こうで二人を見下ろす一体の地獄の番犬…『ガルベロス』を見上げながら大男は言った。




「ファウストじゃないってどういうことだよ?闇の巨人って、あいつだけじゃなかったのか?」
一方、ジャンバードでシュウから話を聞いていたサイトは、今回の事件にはファウストではない謎の巨人が一枚噛んでいるとシュウから聞いて驚きを露わにしていた。
「俺はそんなことは一言も言っていない」
「じゃあ、あの黒いウルトラマンには仲間がいるということ?」
シュウはルイズからの問いに「そう言っている」と言って頷く。
「もしかして、そいつ鏡の中から攻撃してくるやつとか?」
サイトは、街の中で突然自分を襲ってきたあの鏡の戦士のことではないだろうかと勘繰ってシュウに聞いてみたが、シュウはそれを聞いてきょとんとしていた。
「鏡?なんのことだ?」
「へ?違うのか?」
「サイト、あんた一体何の話してるの?」
宛が外れた問いを投げかけてきたサイトに、ルイズは首をかしげた。事情を知らない彼女からすれば変なことを言っているようにしか聞こえなかった。

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