追憶-レミニセンス-part2/忍び寄る影
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だって…普通の18歳の日本男児がここまで機械に精通できるもんじゃないだろ?どこで学んだんだ?こんな技術…」
「日本男児…か」
ため息交じりにシュウは呟く。すでにエンターキーを押して、データのインストールが行われていた。インストールはすでに50%ほど完了していた。
「あとは通信機がちゃんと通じ合えるかどうか試験をする」
シュウはサイトからの問いには結局答えないままだった。そのまま奇妙な沈黙が二人の間に立ち込め、サイトは雰囲気がやけに暗いことが気になってしまった。
インストールを完了させ、シュウは置いていたビデオシーバーとパルスブレイガーを同時に起動させた。このジャンバードには、サイトを呼ぶ前の確認ですでに独自の通信システムが搭載されていた。サイトから借りたPCをジャンバードに接続させ、シュウが設計した新たな専用通信プログラムをジャンバードにインストールさせたことで、ビデオシーバー・パルスブレイガー・そしてこのジャンバード自身からも、互いに通信のやり取りを可能とする。
「テスト開始」
サイトが疑問を抱く一方で、シュウは二機の通信回線を起動させる。これで二機の間で通信が成功したら、通信機器同士の間で回線がつながった証になり、実験は成功したことになる。それは同時に情報提供を常時行うことが可能となり、この先の戦いが有利になる。
果たして……。
息をのむサイトたち。
―――ピピッ
電子音が鳴った。それも、ビデオシーバーとパルスブレイガーの両方、そしてこのジャンボットのメインモニターから。シュウはビデオシーバーとパルスブレイガーの両機の画面を見ると、互いの景色がモニターに表示されていた。ためしにマイクテストを適当に行うと、音声もしっかり転送されている。
「すげえ…」
本当に成功したのか。サイトのその言葉にシュウが頷く。それを聞いて、サイトからも自然と笑みがこぼれた。どうやら通信網を確立させることができたようだ。
『これなら、この先も有利になるな。けど…』
やろうと思ってできるような芸当ではない。それはゼロも理解していた。そもそもこれらの機器は製造元の世界がまるで違うのだ。まして、異なる文明同士の機械の回線を繋ぐ作業ができるなんて、いくら防衛チームの隊員だったとはいえ、サイトと年齢がたった一つしか違わない若者に…。少女に召喚された地球人の使い魔にして、ウルトラマンに変身できるだけでも普通ではない…って、これについては自分たちも同じか。けど、一体シュウは何者なんだ?
「しかし問題はこの機体の動力だな。どうやって確保するべきか…」
シュウが漏らした言葉に、サイトはあぁ…と頭を抱えた。さっき左手で触れたことで、ルーンの力で使い方を知ったとき、同時にこの機械のエネルギーの源をサイトは知り、そのことでため息を漏らさずにはいられなくなっ
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