追憶-レミニセンス-part2/忍び寄る影
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ソコンに再び視線を戻し、プログラムの設計を再開する。
「そんなことよりも、俺もお前に言っておかないといけないことがある」
キーを押しながら、シュウは口を開く。
「え?」
「…先日、俺はファウストと戦った」
「ファウスト!?」
目を見開くサイト。あの黒いウルトラマンが、まだ生きていたのか!湖で初めて会ってから、これまで何度も遭遇してきたが、性懲りもなくまた現れたのか。
「最後に、奴は不穏な言葉を口にした。死の喜劇(デスゲーム)…と」
「死の喜劇(デスゲーム)…?」
単に聞いただけならただの厨二病発言に聞こえるが、これまでファウストは何度も自分たちの前に立ちふさがり、スペースビーストだけでなくベムラーや、タルブに出現したサドラたちのようなM78ワールドの怪獣さえも操って混沌をもたらそうとした恐ろしい相手。そんな奴が不吉な言葉をかけてきたということは、近いうちに間違いなく恐ろしいことを始めようとしていると考えることができた。
「済まない、先日はその時のダメージが戻っていないせいでお前に手間をかけてしまった」
「アンタレスとの戦いでどうして出てこなかったのか気になってたけど…そういうことだったのか。それならいいさ」
決して恐ろしくて出てこなかった…なんてこの男のキャラを考えたら想像できない。サイトはシュウの言葉を信じることにした。
「平賀、俺の指示通りに、このジャンバードとやらとPCのケーブルを繋いでくれ」
「え?お、おう」
サイトは、傍らに置いてあったケーブルを見やる。結構な本数が束ねられていて、どれがどれだかわからないくらいある。そこから少し苦戦した。ケーブルは結構な数が並べられていたのだ。ジャンボットのケーブルとPCから繋いだケーブルを正しい並びに繋げられなかったりする事態が多発、作業が難航した。ともあれ、時間こそかかったが正しい並びにケーブルを繋ぐことができた。
「ふう…」
思った以上に大変な作業だったせいもあり、サイトはコクピットのソファに腰掛けた。
「よし、あとはケーブルを通して、ジャンバードにデータをインストールさせるだけだ」
「もう!?」
サイトはとても一日ちょっとじゃできそうに見えない作業を、ここまでやってのけたシュウの仕事の速さに目を丸くした。いくらなんでもすごすぎじゃね?一からプログラムを作ること自体簡単なことじゃないのは、機械やコンピュータの専門じゃないサイトから見ても分かる。
「…あのさ」
いざシュウが設計したデータをジャンボットに送ろうと、エンターキーを押そうとすると、サイトがシュウに声をかけた。
「なんだ平賀」
「シュウ、あんた…年いくつ?」
「18だ」
18ぃ!?サイトは驚いた。たった一つ上の年齢なだけなのにこんなことができるなんて…。
「だがなぜ、そんなことを聞く?」
「いや、
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