追憶-レミニセンス-part2/忍び寄る影
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に合うのを黙って見てられなかったからこうして、ウルトラマンの力を受け入れて戦ってる。でも、あんたの戦ってる理由が、なんか…見えてこなくて」
今までシュウは、自分たちの前に突然現れ、そして姿を消す。そんなことが多かった。だから彼の戦っている理由も、彼の人となりをうまく知る機会がほとんどなかった。ただ、ラ・ロシェールの時も、ゼロの独走の結果街が壊滅したことについてもひどく憤慨していたし、彼の戦う姿を見ていれば、彼なりに必死になって戦っていたことが容易にわかる。
「俺はお前にとって憧れの防衛チームの隊員。人を守ることなんて当たり前じゃないか?」
「だから、その理由を尋ねているんだって!」
少なくとも味方であることは確か、なのだが…サイトは彼の戦う理由も、なぜ防衛チームの隊員として、ウルトラマンとしてこの異世界に留まって戦っている理由がよくわからなかった。確かに人を助けたりするのは当たり前かもしれない。
でも、サイトはある違和感を覚えていた。数年前に会ったことのある。正体が世間にばれてしまったメビウス=ミライが多くの人たちに笑顔を積み隠さないことや、自分にはゼロという、神々しい存在でもあると受け止められているウルトラマンの理想像とはまるで違う若者真っ盛りなウルトラマンがそばにいるせいだろうか。
シュウは必要なことは自分たちに話しても、必要以上に自分から打ち解けるために歩み寄ってくるような気配を一度も見せてこなかった。ともに戦う仲間。友人関係、というにはどこか冷めた感じがいまだに抜け切れていない。
「やっぱ…昔なにかあったんだろ?テファや村の子達、心配してたぜ」
そういったとき、サイトはラグドリアン湖でシュウが召喚したストーンフリューゲルに触れた時に見えた、奇妙なヴィジョンを思い出した。
「実は、お前が呼び出した石像に触ったとき、不思議な映像が頭の中に流れ込んできてさ。……戦争ものの映画の中みたいな、すさまじいもんだったけど」
戦場の真ん中をただ突っ切る少年の姿。周りで次々と人が死んでいく光景。あまりにも生々しくて、思い出し過ぎるあまり、油断すると戻してしまいそうになる。
もしかしたら、あれは彼の記憶の一部だったのかもしれない。そんな後ろめたい記憶があるから、テファたちとも打ち解けきれていないんじゃないかと予想した。
「………平賀」
シュウは、キーを押すのを中断した。静かに彼の方を振り向くと、サイトを睨みながら、静かながらも重みのかかった声で言った。
「忘れろ。二度と思い出すな」
サイトは、額に一筋の汗を落としながらゆっくりと頷いた。もしかしたらと思っていたが、やはり聞かれたらまずいことだったようだ。
『俺たちと同じかもしれないな』
「…」
背を向けたシュウの姿に、かつての自分たちがそうだったような、孤独感を覚えた。一方でシュウはパ
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