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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
追憶-レミニセンス-part2/忍び寄る影
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囲を見渡し、移動しながらこの気配の正体を突き止めようとした。だがここで、シュウはあることに気が付く。
(おかしい…人の気配がない)
城が侵入者対策のために夜間の巡回兵が城の中を歩き回っているはずだ。なのに、壁に設置されたランタンの明かりも、ランタンを持ち歩きながら巡回している兵の姿が髷も形も見当たらない。それどころか、城で眠りについている人たちの息遣いさえ感じ取れない。夜の静まり返ったこの城の静寂さが、幽霊のような得体のしれない存在の姿を連想させ、恐怖さえ抱かせることだろう。かつて地球防衛軍基地を、死者の影が襲ってきたように。ただシュウの場合、幽霊よりももっと恐ろしい存在ととらえている存在がそばに近づいているという予感を感じた。
目を閉じて、何が起こっているのかをテレパシーによる感知を試みる。
(このヴィジョンは…?)
そこに見えたのは、しばらく前に彼自身もサイトも訪れたことのある湖…夜の月の光に照らされたラグドリアン湖だった。その湖畔に立つ、二人の人物が見える。その二人にもシュウは見覚えがあった。
アンリエッタと、現在行方不明とされているうえ、一説では死亡したとも言われているアルビオン皇太子ウェールズだった。
(…嫌な予感がする…。…!!?)
その時だった。暗闇の中から、一発の射撃が彼を襲ってきた。間一髪シュウは床を転がって廊下の角に隠れてやり過ごした。今の攻撃は一体?シュウが角に隠れながら、今の弾丸が飛んできた方角を睨む。
『「人形」が体調不良になったおかげで、ついに「俺」も駆り出されることになるとは…』
暗闇の中から、野太い男のため息交じりな声が聞こえてきた。
『だが、生きのいい獲物を俺自身の手で狩ることができると思うと、『あの女の不始末』も俺にとって嬉しいもんだ』
シュウは隠れながらその声の主がどこにいるのかを探る。周囲が暗いもあって目視はできない。パルスブレイガーを使って索敵をしてみると、シュウの位置から10時から11時の方向に、特殊振動波がキャッチされていた。
気のせいか、今の攻撃はブラストショットの波動弾と形状が似ているように気がした。だとしたら、ファウストか?しかし、体調不良とあの女の不始末…とはどういう意味だ?
「そうこそこそ隠れるなよ。出ないと、食われてしまうぞ」
声の主と思われる男が姿を見せる……と思っていた。しかし、シュウは驚くべきものを目の当たりにする。
指をパチンと鳴らすと、周囲の白の内部の景色が一変した。紫色に染まった不気味な空、赤黒い荒野の広がる暗黒の空間…ダークフィールド。
隠れる場所もなく、シュウは辺りを見渡した。この闇の空間を展開してきたということは、間違いなく近くに闇の巨人がいる。だが、肝心のファウストの姿が見当たらない。いや…今の声は本当にファウストなのか?いや、思い出せ。ファウスト
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