追憶-レミニセンス-part2/忍び寄る影
[14/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
このまま引きずり出そうとしたが、異形の存在は力を振り絞って強引に自分の体に力を入れ、サイトの念力を弾く。そして、分が悪いと感じたのか別の映る物に飛んでいく。
『逃がすな、追え!』
ゼロが叫ぶ。サイトもそれに応えて奴を追って行く。が、映る物から映る物へと何度も飛び込んでいく奴の動きには、とても人間の足では追い付けない。走りに走り抜いたが、トリスタニア城が近くに見えるあたりに来たところで、足を止めた。
「城の中に逃げられた…!」
ルイズと同伴じゃないと入れないサイトでは、手の出しようがない。でも、あのようなこっちから手を下せない場所から攻撃できる奴を野放しにすれば、他の人間に危害を加えかねない。できれば今のうちに倒しておきたいのだが…。
すると、再びゼロがサイトに話しかけてきた。
『サイト、変身しろ。テレポートで城に入り、奴を追う!』
「ゼロ?ああ、さっき言ってた技のことか!」
なるほど、それなら!サイトは早速懐から、ウルトラゼロアイを取り出し周囲に見ている人がいないか確認してから装着、等身大のウルトラマンゼロへと変身した。
初代ウルトラマンもバルタン星人・二代目との戦いで使用した、テレポーテーション。さしずめ、〈テレポーテーション・ゼロ〉と言ったところだろうか。
しかしこの技は、ウルトラ戦士の寿命を縮める副作用があるので多用できない。転送先との距離が大きければ大きいほどその代償も重い。しかしここから城の中はほんのわずかな距離しかない。縮まる寿命があったとしても大したものじゃないだろう。
「デュ!」
両腕をクロスしてから振り下ろすと、彼は頭から見る見るうちに、その姿が最初からなかったように消えて行った。
「今日はもう遅いです。城の皆様もお疲れでしょうし、日を改めてお越しください」
シュウは城に通してもらったのだが、タイミング悪く、城の中に入った途端城の消灯時間が過ぎたことを通告され、この日は引き取り願うよう城の中を見回っていた兵から通告されてしまった。
「しまったな…」
シュウは頭を抱えながら、右手で後ろ髪を掻きむしる。手入れされた髪がくしゃくしゃになってしまった。しかし、いくら規則とはいえこのまま見過ごすと、どんな危険が及ぶかわかったものじゃない。パルスブレイガーからの反応は未だ健在だ。ディスプレイの電子マップに表示された赤い点が、その証拠だ。地図と言っても、ここは地球じゃないこともあって、画面上に障害物を示すマークが一切表示されておらず、まるでまっさらな平原と同じ感じで表示されているので道に迷いやすいのだが。
―――トクン
シュウは一瞬、不穏な気配を感じた。衝動的に懐からエボルトラスターを取り出すと、それに埋め込まれたクリスタルが心臓の鼓動に似た音を鳴らしながら点滅していた。
やはり、近くに何かがある。周
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ