妖精亭-フェアリーズハウス- part6/ゼロVS蠍怪獣
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方が、威力が上のはずなのに、今の一撃の方がかなり効いていた。
いや、これは偶然にも弱点を突いたと捉えておこう。今はこいつを倒すことに専念だ。
「シュア!」
ジャブストレートを叩き込んでファウストを怯ませると、彼はファウストに掴み掛る。ファウストはその手を振りほどこうとするも、ネクサスが右のアームドネクサスから生えたエルボーカッターでファウストの左腕を切り付け、胸に蹴りを叩き込んで二人の間に距離が開く。
「グゥ…!」
二人の巨人はしばらく身構えたままにらみ合う。
「今度こそ…くたばるがいい!」
すると数秒の間の後、ファウストは両腕の拳に闇のエネルギーをスパークさせていく。
(くたばれて言われて、大人しくくたばる馬鹿がいるか…!)
ネクサスもそれに倣うかのように、クロスさせた両腕のアームドネクサスに光エネルギーを充填し稲妻の如く迸らせる。
〈ダークレイ・ジャビローム!〉
〈オーバーレイ・シュトローム!〉
ファウストが両拳を打ち付けあう様に合わせると暗黒の必殺光弾が、ネクサスがL字型に両腕を組んだと同時に必殺の破壊光線が発射され、ぶつかり合った。二つの必殺技が着弾し合おうと同時に、ダークフィールド内に光と闇のぶつかり合いによるすさまじいエネルギーの拡散が起こり、周囲を包み込んだ。
その現象は、ダークフィールドと彼ら二人の変身さえも解いた。ダークフィールドが消え去ったことで、シュウと黒マントの少女はチクトンネ街の路地裏に戻された。
「強くなったじゃないか…?ふふ…これだけの光があれば…あとは…」
かなり息を切らしているようだが、寧ろその少女はフードの下でせせら笑っていた。敵であるシュウが強くなったら自分の存在が危険に陥るはずなのに、寧ろ彼が強くなることが望みどおりのような言い方だった。
「なぜ、それほど俺たちとの戦いを求めようとする」
彼は思う。こいつは一体なぜ、何のために俺たちと戦うのか?なぜビーストを操って世界に混乱をもたらそうとするのか。
「私は…影。光がある限り、私が消えることは決してない」
またそれか…いや、こいつにどんな理由があろうが関係ない。こいつは倒すべき敵。それ以上でもそれ以下でもない。たとえこの女の言うとおり決して消えない存在だったとしても、シュウはその影と戦う覚悟を決めていた。少女はフードの下で笑みを浮かべると、闇に溶け込むように姿を消していった。
「舞台は、始まったばかりだよ。この国を闇に導く、死の喜劇(デスゲーム)がね…」
最後に、不穏な言葉を残しながら…。
夢はそこで終わり、ストーンフリューゲル内の光の波の中で、シュウは目を覚まし、体を起こした。
「死の喜劇(デスゲーム)、か…」
あの少女が言い残した言葉を復唱し、シュウはエボルトラスターを握りながら、まだ疲労までは回復していなかったのか苦し
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