妖精亭-フェアリーズハウス- part6/ゼロVS蠍怪獣
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に応じようとした。マチルダは自分の知る限り決して誰かを手にかけようとするような人じゃなかったはずだ。ましてや、年下の少年少女に向けてそんなことを…。
姉はこれまでどんな仕事をしているのかテファに一度も話してあげたことがなかった。今回シュウもマチルダに代わって新たな仕事を請け負ったというらしいが…。
見たこともない街で今より幼い容姿だったシュウが悪魔の放つ光に飲み込まれていった夢、時折見るウルトラマンの戦う姿のヴィジョン、マチルダとサイトたちの一触即発な対峙。
(もしかして…!)
テファは、シュウとマチルダのことについて薄々気づき始めていた…。
何も知らされないままのテファ、盗賊であることを隠し続けるマチルダ、そして自分がウルトラマンであることを明かさないシュウ。
隠しているつもりでも、いずれはボロが出てしまい、こうなる運命だったのかもしれない。召喚されたものとした者。二人が孤児たちや姉と共に暮らす以上、互いのことを知ることになるのは。
アルビオンの首都ロンディニウムの宮殿にて、シェフィールドは月明かりが差し込むバルコニーから外を眺めていた。遥か遠く、アルビオンより南の方角にある遥かな大地をただじっと見つめていた。
すると、彼女のもとに別の人物が訪れてきた。その素顔はバルコニーの入り口の部屋の暗闇に包まれていてよく見えなかった。
「人の背後に立つなんて感心しないわね」
「申し訳ありません。ミス・シェフィールド。ただ、お尋ねしたいことがございます」
シェフィールドがその人物に対して冷たく言うと、その人物は謝罪を入れた。尋ねたいことがある、と言われた彼女は振り向いてきて逆にそれを聞き返す。
「何かしら」
「トリステインへ派遣したあの者たちについてですが…あの二人は信用できるのですか?奴らは、正確には我々とはあくまで利害が一致しているだけの間柄で、正式に我らの傘下に入っているわけではない。しかも、王党派との戦争で手に入れた『例の人形』までも持ち出し、味方につけるには少々不安があるかと…」
その人物はどうも、トリステインに向かった例の二人組について疑念がぬぐえなかったらしい。しかし、シェフィールドはさして気に留めている様子ではなかった。
「一方は探し求めているものを殺すこと、一方は自分からすべてを奪った国への復讐…なんにせよ我が主を満足させてくれるなら、たとえ最後に裏切るつもりの者でもかまわないわ。もっとも、我が主に逆らう場合、死刑は確定だけどね」
再びバルコニーから見える夜景を見渡しながら、シェフィールドはニヤリと笑みを浮かべる。
「さて、あなたにも役目を果たしてもらうわよ。『クロムウェル閣下』」
その人物は月明かりに照らされると同時にその素顔を露わにした。それは、アルビオンの新皇帝としてシェフィールドに利用された挙句
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