妖精亭-フェアリーズハウス- part5/嵐を呼ぶ徴税官
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上がり、少年とは思えない動きに誰もが驚いた。
「何あの動き…!」
「あの跳躍力、魔法を使ってるの!?」
特に妖精さんたちは恐れさえ抱くほどの驚きようだった。いかにファンタジーな世界でも、ただの跳躍で平民が大きく飛び上がっているのは非現実的なもののようだ。
着地してサイトに裏拳を放つと、サイトも裏拳を放って腕同士のつばぜり合いになる。サイトは残った足で少年の脇腹を蹴り、顔面に一発食らわせた。顔に攻撃を受け、忌々しげにサイトを睨む少年。サイトはさらに追撃に足払いを放つと、少年は再び飛び上がってそれを避け、直接サイト両腕に掴み掛った。
「ぐ…ぐぐ…!!」
その腕を振りほどこうと、サイトは力を入れるが、少年とは思えないパワーが彼の両腕の動きを封じる。サイトはゼロと肉体を共有している影響で強いたい能力が人間以上に強化されている。さっきも3メートル近くも飛び上がり、その彼を力押しで押さえつけるとは、やはりこの少年は人間ではないのだ。その証拠をさらに決定づける現実が、サイトに脅威となって降りかかった。
「でえええええいい!!!」
少年が、外見年齢の数年も先の低くなった声を上げた。その時、少年の背中から黒い影…いや、尾が伸び、今度はサイトを突き刺そうとした。まずい!サイトは少年に体をつかまれた市政のまま逆立ちし、頭上から襲いかかってきた尾を蹴り上げた。少年が今の一撃で怯んでいる隙に、サイトは着地しゼロアイを手に取ると、少年に向けてビームガンを発射した。
「ぐ…ぬぅうう…」
少年は腹を押さえながらよろめくと、今度は真っ赤な光に身を包みだしその姿を肥大化させていく。最終的に少年の姿は、完全に人間者のではなくなり、巨大な蠍に酷似した怪物の姿へと変貌した。
「「きゃああああああああ!!!」」
その巨大な姿に妖精亭の者だけでなく、街の住人達さえも恐れおののき、逃げ惑いはじめた。混乱はたちまち町中に、そしてルイズたちの元にも影響する。
「あれは…蠍怪獣アンタレス!」
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