妖精亭-フェアリーズハウス- part5/嵐を呼ぶ徴税官
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り上げてしまったのだ。スカロンや妖精たちから特に悲鳴が上がった。貴族に手を出してしまったのだ。彼らにとって店の都立節はほぼ確定されたも同然だ。
「き、貴様何をする!!」
後ろに一時転がったチュレンヌはもちろん立ち上がった途端ルイズに怒鳴りつける。
「ちょ、…ルイズさん!蹴っちゃだめでしょう!!?」
「あ、あの子ったら…!!」
ハルナやジェシカはやっちまった!といった感じの眼でルイズを見た。
「ミス・ヴァリエール、やりすぎですよ!」
シエスタも声を上げる。いくら自分の方が位の高い貴族の出だとしても、今は身分を隠しての任務中だったはずだ。公爵家の彼女が任務のためとはいえこんな店で働いていることを知らされるのはまずい。
「貴様、平民の分際で何と無礼な!」
チュレンヌの護衛たちも貴族、平民に蹴りを入れてきた同胞の姿を見るのは我慢ならず、ルイズに対して杖を向ける。
「ゆ、許してくださいまし!この子は新人でして…」
スカロンが必死に機嫌を取ろうと試みたが、もう遅い。チュレンヌたちはすっかりお怒りの様子だ。
「ええい黙れ!者ども、この洗濯板娘を捕まえろ!」
――――プッツーーーーーーン
瞬間、ルイズの堪忍袋の緒が何十も千切れた。それはまさに俊足・電光石火の如く炸裂した。ルイズの虚無魔法…エクスプロージョンがチュレンヌたちに炸裂した。
デルフが言っていた通り、タルブ村で起こした時ほどの威力はなかった。チュレンヌたちに致命的なダメージこそはないが、ビビらせるには十分だったし、もしあの時と同じ威力で出したらトリスタニアそのものが壊滅してしまうのでこれでいい。
「ひ!?」
…いや、よくはない!せっかく人が媚や愛想を売ってやったというのに、洗濯板!?ルイズはすっかり逆上しきっていたのだ。貴族以前に、一人の女として馬鹿にされたルイズはさらにもう一撃爆発させる。
「る、ルイズの奴…!」
確かに馬鹿にされたり触られそうになったのは目をつむることはできないが、だからって魔法を遣ったらメイジであることがばれちゃうじゃないか。まあスカッとしたところはあるけど…。サイトはしかるべきかそうしないか迷った。
チュレンヌの周りの取り巻きたちは二撃目も受けて気絶してしまった。残ったのはチュレンヌ一人だけ。
「な、なぜ魔法を…!!?貴様は一体…!」
ルイズが魔法を使ったことに、チュレンヌは訳も分からず問う。テーブルの上から見下ろしながらルイズは、アンリエッタから託された許可証をチュレンヌに見せつけた。
「私はアンリエッタ姫殿下の女官で、由緒正しい家柄の三女よ。あんたみたいな小物に名乗る名前はないわ!」
チュレンヌは許可証を青ざめた。なぜそんな高名な出のお嬢がこんなところで働いているかなんてどうでもいい。少なくとも自分はかなりまずい立場にある。この娘が
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