暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
妖精亭-フェアリーズハウス- part3/生きていた魔人
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ルイズは着替え部屋の方に歩き出していくと、ハルナが部屋の中から声を上げた。
「!ま、待ってルイズさん!!入ってこないで!!」
「な、何よ…そんなに拒否しなくても…」
「…ふう、ちょっとあたしが話しつけてくるから、みんなはここで待ってて」
ジェシカはため息をつくと、着替え部屋の方にもう一度言ってハルナと話をしてみることにした。一体どうしてだろう。サイトは不思議に思った。ルイズは気に食わないようだけどかわいらしく着こなしている。ハルナだってきっと似合うはずなのに、そんなに恥ずかしいのか?もし来てみたら…。
(でへへ…)
『お〜い。鼻の下伸びてるぜ〜。いけないんだ〜』
ぐっ…!人がいい思いに浸ってる時に水を差すとは…!!サイトは茶化してきたゼロにムッとした。
すると、着替え部屋からようやくジェシカとハルナが出てきた。が、ハルナは妖精さん衣装を着ておらず、ジェシカの緑の給仕服ではなく、その色違いの黒い服だった。
「あれ?」
やはり恥ずかしかったのだろうか。でも、あの服もあれはあれで似合っている気がした。ハルナは地球にいた頃はほとんどのことをこなせる完璧少女の印象が強かった。この店の店員になれば、もしかしたらがっぽり稼ぐことなんて容易じゃないだろうか。ルイズはあの様子だが、まあ我慢さえ覚えれば何とかできるだろう。
さて、その後はスカロンから説明が入った。今週はチップレースというイベント期間だった。一週間内に一番チップを稼いだ妖精さんに、この店の名前の由来になった家宝『魅惑の妖精ビスチェ』を身に着けることが許可されるという。そのビスチェには人を引き付ける魅惑の魔法といかなる体格にもフィットする魔法の両方がかけられており、これを着用すればさらに稼ぎ放題、昨年のトップは稼ぎ過ぎて田舎に帰ってしまったほどだったという。
ルイズはこれをチャンスととらえた。これならアンリエッタから借りていた持ち金以上の金を手に入れられるかもしれない。悪いことを企んでいるような不敵な笑みを浮かべているルイズに対し、ハルナはものすごく不安な様子だった。



さて、いざ始まったチップレースなのだが…。
「な、なにしやがんだこのガキ!!」
「こ、こここの下郎!お、おおおおお恐れ多くも公爵家の…!!」
ルイズについてはサイトにとって案の定だった。貴族としてのプライドが先行しているルイズは、客に注文通りの品は届けても、平民に尺をすることに屈辱を覚えるあまりグラスからワインをこぼしてしまって怒らせてしまった。酔っていた勢いもあってか、その男性客はルイズに口移しをしてくれと言ってきたので、ついに逆上した彼女は一発ビンタを食らわせてしまったのである。客は神様とはいうが、店員だって人間、嫌なことをされたら殴りたくなるほど怒ることだってある。でも、殴ってはいけない。客に暴力を振
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