妖精亭-フェアリーズハウス- part3/生きていた魔人
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た。無理も無い。ルイズのような結構熱くなるタイプの人間は心情を読み取られやすいので賭け事には非常に不向きだ。それを補う天運だってもちろんのこと持ってない。
その結果、見事にせっかくアンリエッタがくれたお金を全部無駄にしてしまい、報酬もなにもかもが…ゼロになってしまった。
「だって…必ず当たるっていうから…」
そんなカジノがあったら平民はみんなお金持ちだっての。サイトの突込みにルイズは言い返せない。
「まあまあ、そういじめてやるなよ。娘っ子がそろそろかわいそうになってきたしよ」
「下手に慰めないで…」
デルフが宥めてきたが、ルイズは逆に施しを受けた気がしてその言葉を拒絶した。
「これからどうしたらいいんだろう…」
人生金がなくては何もできない。ある意味真理と言えなくもない。事実自分たちはほとんど何もできない状態だ。ハルナは不安そうに呟く。
「お姫様に頼んで、もう一度金を貸してもらうしかないかな…」
サイトがそういうと、ルイズは「だめよ」と否定した。
「姫様が私的にご命令した任務よ。お金の工面に苦労されたに違いないわ。これ以上姫様が国のために使っているお金を無駄にできないわよ」
「お前な…それがわかってて高額な馬を買いたがったりするわ、高級な宿じゃないと眠れないとか、ドレスや宝石の無駄遣いとか、よく言えたもんだぜ」
こいつは我儘であると同時に世間知らずでもあるのだろう。お姉さんも困っているみたいだし、こいつには二度と財布を持たせないでおこうと決意したサイトであった。
「…だって、必要なんだもん」
「いらねえっての」
「いるの!」
「いらない!」
「いるったらいる!」
「いらないったらいらない!!」
サイトとルイズは互いに目線を合わせ、目線上に火花を散らす。無駄な意地を張るルイズもルイズだが、売り言葉に買い言葉なサイトも熱くなりすぎていた。
「もう二人ともいい加減にして!!まずは寝るところを探すのが先決でしょ!」
すると、子供じみた二人の争いにハルナが痺れを切らして怒鳴り散らした。責任もって保護しているはずの彼女に怒られ、二人は母親にしかられた息子のように俯く。確かに彼女の言うとおりだ。任務は始まったばかり、数日間はこの街に留まるのだから寝床になる宿泊施設を探さなくてはならない。
…が、直後にぎゅるるるるるるる…っと腹の虫が鳴った。
「…ルイズ」
「私じゃないわよ!」
サイトは真っ先にルイズを疑ったが、ルイズは怒った。疑惑の目を向けたサイトも腹を鳴らしてはいない。つまり…。
「…………うぅ」
ハルナだった。二人を叱っておきながら腹の虫を鳴らすというなんともまあ締まらない自分に、案の定腹を押さえたときのハルナの顔は真っ赤だった。
「…っぷ…あははははははは!!!」
「ひ、ひひ…ぶわははははは!!!」
あま
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