妖精亭-フェアリーズハウス- part3/生きていた魔人
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かして床の上に座り込んでいた。同時にシュウを、自分たちの危機を救ってくれた救世主…自分たちにとってのウルトラマンとして密かに尊敬するようになったというがそれは別の話である。
さて、一方でサイトたちは…。
トリスタニアの街が夕暮れに照らされた頃、街の聖堂から夕刻の鐘が鳴る。日本でいえば、夕方5・6時のサイレンのようなものだ。
「んもう…ルイズさんったらどこに行っちゃったのかな…」
運動には不慣れなせいか、ハルナは膝に手を置いてぜーぜーと息を吐き続けた。体育の成績は筆記以外そんなによくないのかもしれない。
『一人でほっつき歩きやがって…もしアンリエッタの話が本当だったら、街の中に星人か人間に擬態した怪獣が潜んでることだってない話じゃないんだぜ』
サイトの中で、ゼロも意地を張ったルイズの独り歩きに呆れていた様子だ。愚痴の内容が宇宙規模に飛躍しているが、事実あり得ない話じゃない。星人や怪獣の中には人間に成りすまして侵略計画を進めていたり、人知れず殺人事件を起こしたりなどの恐ろしい前例がある。もしそういった類がいないにせよ、女の子が…それもルイズ並みに外見が可憐な少女が一人でふらふらするのは、よからぬ輩の絶好のターゲットにされる。説教するなら後にして、まずはルイズを見つけてやらなくては。
「ルイズ!!どこだ…っと、見つけた」
街の噴水広場の噴水の傍らのベンチで、ルイズが座っているのが目に入った。一人ふてくされた様子で座り込んでいる。あの様子なら大きなけがもなかったようで、サイトとハルナは一安心した。だが、それもわずか一時の物だった。
「ぎゃああああああああああ!!!!」
「「「!?」」」
尋常ではないすさまじい悲鳴が聞こえてきた。ルイズが真っ先に飛び出し、サイトが彼女を、ハルナがさらに彼を負う形で三人は駆け出した。
すぐ近くの路地裏だった。そこには、若い男性が血を流して倒れ、周囲の応急処置を受けていた。
「何があったの!?」
「チュレンヌだよ…」
目撃者たちの話によるとこうだ。被害を受けた男性はすぐ目の前の新設された店を経営している支配人だが、そこを噂のチュレンヌが来訪、彼女の妻の容姿に惹かれた彼は部下にその女性を無理やり屋敷に連れて行こうとしたのだ。もちろん愛する女性を連れ去ろうとするものを支配人が許せるはずもなく、頼むから連れて行かないでくれと懇願したり、必死の抵抗を試みたが、チュレンヌの雇った少年の姿の兵によって叩きのめされ、毒に侵されてしまったのだという。
「最低…!貴族の…それ以前に男の風上にもおけないわ!」
チュレンヌに対する怒りを募らせるルイズ。自国の中にあのようなシロアリのような男の存在を許せるものか。
「衛士には通報したの!?」
「…いや、通報はしたんだけど…」
ルイズはすぐ目に入った平民の男性に声
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