妖精亭-フェアリーズハウス- part3/生きていた魔人
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安置することはできず、外に『固定化』の魔法をかけられた状態で保管されることになった。
今、警備兵が周囲に囲んだ状態で待機しており、決して怪しいものを近づけようとしない。だが、そのジャンバードの船内にて、シュウがたくさんの工具を床の上に散らかしながら、ジャンバードのチェックを行っていた。壁に蓋のようなものを見つけ、それを開いてみると、その内部にはあまりに複雑にケーブルや鉄棒などがずらりと束ねられていた。
機械工学を志していたと語っていたということもあり、彼はジャンバードには強い興味を惹かれていた。思った通り、これはハルケギニアの現在の文明では決して作れるような代物ではなかった。高密度な機械とケーブル、ライト、モニター…どこからどう見てもそうとしか思えない。さらには巨人の形態を取り、斧を振い光線を放つ機能を持ってゼロを一度は苦しめたほどの兵器。まさに『オーパーツ』と呼ぶに相応しい。確証はないが、実際にはハルケギニアではなく、別の星で作り出されたものなのではないのか?そして、なぜこれほどの機械をアルビオン王家が所持し、秘宝として守り続けてきたのか。そして、これをレコンキスタはどうやって操って見せたのか。
内部を調べ始めてから数時間は経過していた。汗ばんだ額を拭いながら、シュウは水筒の水を飲んで一息ついた。
「この機械は地球で俺たちが操縦していたクロムチェスター以上かもしれない。これだけのものを作り出せる文明、おそらくハルケギニアだろうが地球だろうが数百年以上先は軽いかもしれない」
ジャンバードの壁にかけられたモニターに触れながら彼は一人呟く。
だが同時に疑問に思う人もいるかもしれない。それほどの超文明のものかもしれない代物を、どうしてシュウがその一端だけでも短時間で理解できたのか。ナイトレイダーでありながら、本当にただの機械工学を志していただけの身だったのか。
「一体、誰がこんな大層なものを作った…?TLTの技術者でもここまでのものは…」
まあ、答えの見えない問題にいつまでも付き合っているわけにはいかない。ビデオシーバーとパルスブレイカーの通信中継地点として確立させるために、この機械を起こさなくては。操作盤らしきものは、……困った。そう言ったものは見当たらない。こいつは一体どうやって動かすのか…。ふと、シュウはサイトの存在を思い出す。あいつの左手の『ガンダールヴ』のルーンの効力だ。あらゆる武器を使う、あの喋る剣はそう語っていた。妙に詳しいところに胡散臭さを覚えもしたが、あいつがいた方がよかったな。まずはあいつを探して、こいつに触れさせるべきだろう。そう思って、彼は一度ジャンバードから降りて外に出た。
エレオノールは、密かに彼がジャンバードから外に出たところを、研究室の窓から見ていた。こういった行為は正直貴族らしからぬことなので乗り気ではなかっ
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