妖精亭-フェアリーズハウス- part2/地球人3人
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「安い馬なんかじゃいざっていうときに役に立たないじゃない!それに宿だって…」
「宿?」
いちいち文句ばっかり言うと、今度は見た目からしてかなり高級な宿だった。外観から見てもかなり大きく、地球の高級ホテルでたとえたらVIPクラスにも及ぶかもしれないほどかもしれない。
「お、おい!こんな宿に泊まったら小遣いぶっ飛ぶだろ!」
サイトのそんな文句を無視してルイズはその高級な宿に入って行ってしまう。その宿の宿泊費は一泊200エキュー。たった二日しか泊まれないほどの高額だった。結局その宿は諦めることにした。
「なあ、泊まるなら安い宿にするしかないだろ」
「だめよ!安物の宿じゃよく眠れないじゃない!」
「俺なんか床の上に藁だったんだぜ?」
「それはあんたが平民で順応性が無駄に高いからじゃない!公爵家の私に藁の上で寝ろって言いたいの!?」
あ〜もう!なんて我儘な奴だ、とサイトは頭を悩ませた。
「ハルナのことも考えて言えよ。お前が高いもんにこだわってばっかじゃ、飯食うのだってままならないんだぜ」
「…ああもう!だったらお金を引き出してくるしかないわね」
ルイズは自分の小遣いを引き出すために街の銀行に寄った。何せ自分は公爵家。国でも一・二を争う巨額の家の実家だから小遣いもバカにならない額。ああなるほど…確かに小遣いについては困らないかもしれない。が、平民に成りすましての任務はどうなるのだ?とも思う。巨額の富を持つ平民なんてどこにいるのだ。あのマルトー親父も下級貴族よりも給料は高いらしいって、いつぞや賄いをもらった時に聞いたのだが、ルイズの場合は桁が外れすぎだ。
が、いざ銀行に寄ったら…カウンターで銀行員と話をつけていたルイズから悲鳴があがってしまった。
「ぜ、ゼロおおおお!!!?」
まさか自分の二つ名と同じ…『0』!そう、ルイズのために預けられた小遣いは1ドニエたりともなかったのだった。
「いったいどういうことよ!まさか泥棒に入られたわけ!?」
「そんなことはございません。うちの警備は万全ですし、貴族様の大事なお金をお預けしている大切な施設ですから」
ごもっとも、この銀行は国の有数の貴族やそれ出身の学生なども多く利用する重要な機関だ。もし盗んだり強盗に入ったらたくさんの貴族に目を付けられ縛り首程度では済まされないほどの罰を与えられる。時にはそれを考えなかったりする命知らずな強盗もいるが、そいつらは全員地下牢に放り込まれている頃だろう。
「で、でも!数日も立てば実家からお小遣いがくるはず…」
「そのことについてなんですが貴族様…」
実家からの送金に希望を託そうと考えたルイズだが、銀行員が言いづらそうにしながらも一通の封をルイズに渡した。ルイズはそれを開いて手紙を読むと、一気にその顔が青ざめた。
「なんて書いてあるんだ?」
サイトと
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