妖精亭-フェアリーズハウス- part2/地球人3人
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りもお前たちは自分たちの仕事を任されたんだ。そっちの方に当たれ。ビデオシーバーは完成したらすぐに届ける」
「あ、ああ…」
ビデオシーバーを見せながらそう言ってきたシュウに、ボロボロのままのサイトはたどたどしくも頷きながら、去っていく彼を見送った。
「あの人も、平賀君と同じだったのかな…?」
さっきシュウの言った発言のせいか、ハルナは去りゆくシュウの背中を、どこか悲しげに思いながら見つめていた。サイトは、ファウストとの最初の戦いの後シュウがストーンフリューゲルに乗って帰ろうとしたとき、そのストーンフリューゲルに触れたときのことを思い出す。あれに触れた途端、彼の感情というか…記憶が流れ込んできた。テレビでは規制をかけなくてはいけないほどの惨状だった。人が爆発によってその身を砕かれ、銃撃によって頭や胸を貫かれて死んでいく。もう一目見たときから理解した。それを悟ったとき、全身から何かが抜け出ていく感覚にぞっとした。『戦争』…シュウはその真っ只中に立たされていたのだ。中には、シュウが同じ年齢に見える少女を腕の中に抱きかかえながら泣き崩れている姿もあった。今の彼とは思えないほどの悲痛な姿を思い出し、サイトまでもやるせない気持ちになる。
シュウが戦っている理由…やはり自分たちと同じなのだろうか。
「…さあ、いつまでもここに突っ立っているわけにはいかないわ。姫様が私たちにご命じになった任務を果たしましょう!」
すると、この重い空気に耐えかねたルイズが声を張って二人に言う。
「あ、ああ…そうだな。けどルイズ、やっとかなくちゃいけないことなのはわかるけどさ、お前の場合ちょっと安請け合いした感じが否めないんだけどな」
「何よ。姫様が私を頼りにしてくださったのよ。文句がある?」
「そうじゃなくって…お前ってかなり無茶をするタイプだからな。心配なんだよ」
サイトの脳裏に、フーケの起こした破壊の杖強奪事件の時のヴィジョンが流れる。いつの間にか戦うべき敵がフーケからツインテールとグドンという二大怪獣に代わっても、あの時のルイズは自分の未熟さを忘れ無謀な突進をかましていた。あの時と違って今は勇気と無謀を履き違えることがないのかもしれないが、だからといってルイズが無茶をしないという保証はない。貴族のプライドと愛国心・忠誠心ゆえに同じことを繰り返さないとも限らないとサイトは考えていた。
「心配?私のことを…?」
ちょっとだけルイズの頬が朱色に染まる。が、内心は嬉しかったくせに照れくささばかりが表に出て、すぐに突っぱねるような態度をとる。
「べ、別に!へぼ使い魔に親身になって心配されるほど落ちぶれちゃいないわよ!ぜ、全然嬉しくなんかないんだからね!」
とはいえ、結局自分で全部話してしまっているルイズだった。サイトはそんなルイズの気持ちに察することができず、かわいくな
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