妖精亭-フェアリーズハウス- part2/地球人3人
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ことがある。それにしても、それさえもさも当然のようにやる気なシュウはそこが知れないな、と思った。顔もイケるし、ウルトラマンとしてもしっかりしているし、しかも機械慣れしているし…。って、俺同じ男として負けてる気がする…ちょっぴりサイトは卑屈になった。
「ねえ、さっきから意味不明なことばっか言ってないで私にもわかりやすく説明しなさいよ」
異世界人のルイズからすれば意味不明な言語を喋っているようにしか聞こえず、意味が分からないと文句を言ってきた。とはいえ、いくら地球人だからって、素人が専門用語とかを理解できるわけじゃないが。
「一瞬だけで手紙の本文のみのやり取りができるとでも考えればいい。これでいいか?」
「最初からそうしなさいよね。で、それが何の効果をもたらすの?」
目くじらを立てるルイズをみて、シュウも逆にルイズを面倒な奴と内心では思っていた。
「あのジャンバードとやらをいじれば、俺と平賀の間で連絡を取ることができるようになる。互いの必要な事項を瞬時に交し合える」
「へえ…よくわかんないけど、やるじゃない」
「………」
結局理解してないか。まあ…別に理解してほしかったわけじゃないのでシュウは気に留めなかった。
「平賀君…」
すると、ハルナが心配そうな憂い顔をサイトに対して浮かべていた。
「危ないとわかってて、ルイズさんたちの力になるの…?」
サイトはそれを見て、う…と息を詰まらせた。
「だって、平賀君は…怪獣災害で一度家族を亡くしちゃってるんだよ?それなのに…」
ハルナも、サイトの義母から彼の素性をすでに聞いていたのだろう。話を一通り聞いたとき、成人になっていたとしても経験するには辛すぎる過去だ。それだけの出来事があったのに、危険に身を投じようとしているサイトが非常に心配になっていた。
「…やっぱり…帰りたい?」
ハルナの気持ちを察したのか、ルイズはサイトに問う。本当なら、どこにも行ってほしくないのが本音だった。でも、サイトにも家族や友人が故郷にいる。会いたいって思うはずだ。
「…確かに、帰りたいな。こっちでも向こうでも、脅威ってものがあるけど、それでも地球は俺たちの故郷だ」
「…!」
それを聞いて、ルイズの表情に影がかかった。
「でも、だからだよ」
だが、直後に放たれた彼の意外な返答に、ルイズとハルナは目を丸くした。
「俺、この世界に来た意味を考えてたんだ。どうして、俺がいきなりルイズに召喚されたのか…でも、意味なんて自分で見つけてみるもんだろ。ルイズが、虚無の魔法に目覚めたことについて自分で意味を見出したように、俺も異世界人である自分が召喚されたことにはきっと意味があるって思うんだ」
それから、まっすぐ二人を見ながら、サイトは自分の決意を明かした。
「俺はこの世界の人たちが、昔の俺みたいな思いをすることを見
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