妖精亭-フェアリーズハウス- part2/地球人3人
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ハルナにこの世界の字はまだ読めない。だから、デルフが代わりに読んであげてくれた。
「えっとだな…
『最近無駄遣いが激しいので、しばらくお小遣いの送金は止めさせてもらいます。ちびルイズ、お金の管理もできないなんて、それでもヴァリエール公爵家の三女ですか。まるであれ買ってこれ買ってと言っている子供が、ある日多額の小遣いをもらって調子に乗ったみたいで恥ずかしいわ。仕方ないから次に会ったとき、私が小遣いの管理方法というのを手取り足取り教えてあげましょう。もしそれでも無駄遣いをしたら…どうなるかわかってるわね?
あなたの姉。エレオノール』…ってよ」
なるほど、さすがのご家族も、ルイズの浪費癖には困っていたようだ。それにしても、ルイズに姉がいたんだな。
「え、エレオノールお姉さま…」
しかし、ルイズは異様にビビりまくっていて震えあがっていた。もしかして、ルイズの姉は怖い女性なのか?彼女がこれほど恐れる相手だ。もしかしたら、キレたルイズ以上にめちゃくちゃ怖い女性なのかもしれない。そう思うと、サイトまでも寒気を感じてぞぞっと鳥肌が立ってしまった。親と子が似るなら、姉妹も同じだろう。
「ルイズさん、念のため尋ねますけど、買い物の際は何を買ってたんですか?」
もしやと思って、嫌な予感がよぎったハルナがルイズに彼女が休日の買い物で買うものを尋ねてみる。思わぬ質問に、ルイズはうっ…と息を詰まらせた。そして言いづらそうにこう答えた。
「…ドレスや宝石よ。一着600エキューでも安いくらいの」
600で安いドレスなど高すぎる。ルイズが今着ている服の何倍もの価格だ。
「…いくつ買った?」
「…虚無の曜日に出かけたとき、見つけたら手あたりしだい」
「「ええええええええええええ!!!?」」
見つけたら手あたりしだいだなんてどんだけ買ってたんだよ!いらねええええええええええ!!!サイトは絶叫した。ハルナもあり得ないとばかりに仰天した。
「し、仕方ないじゃない!安物を買ってたらヴァリエール公爵家が貧乏人みたいに見られちゃうんだから!…せっかくお父様が下さったお金なのに」
「ンなの知るか!!」
いちいち貴族の面子にこだわって高級品を買ってちゃ、寧ろ財布の紐がゆるゆるな間抜けにしか見られない。どうしてそのあたりにまで頭が回らないのだろう。せっかく小遣いくれたお父さんがかわいそうに思えてくるじゃないか。
ともあれ、小遣いを増やすことは結局かなわなかった。
「結局400エキューで何とかするしかないってことだわな」
ケタケタ笑いながらデルフは笑い飛ばした。剣だからお金のことなんてどうでもいいのか、完全に他人事だと思っているご様子。
「けど、たったこれだけのお金じゃ…」
「だから安もんで我慢しろよ。それともやっぱ、お嬢様には無理がある任務だったかな?」
未
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