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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
春奈-クラスメート-part3/一先ずの和解?
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シュウの言葉を遮って反発するテファの言葉を、さらにシュウは自分に対する辛辣な言葉で塗り替えてしまった。
「どうして、そんな言い方するの…」
自分が傷つくことに一切の躊躇いを持ち合わせていないような言動に、テファは悲しげに俯いた。この人はなぜ、こんな言い方を表情一つ変えないまま言えるのだ。この人にとって、自分以外の人間を助けることさえできたら、自分が死ぬことも構わないというのか。
そんなのは…痛くて苦しいだけじゃないか。
「そろそろ行くよ」
シュウはテファのその顔を見ることなく…いや、それとも意図的に目を背けていたのだろうか。そう言い残すと歩いて森の中へ歩き出す。…が、彼は何かに引っ張られている感触を覚える。振り返ると、俯いたままのテファが彼の服の肘の部分をつかんでいた
「ティファニア?」
「あ、ご…ごめんなさい…」
自分でもなにをしたのかよくわかっていなかったようで、テファはその手を放した。首をかしげながらも、再度シュウは行ってくる、と言い残し森の中へと消えた。
ふと、彼女はあることに気が付く。
(あれ?ばいく…っていうのには乗らないの?)
シュウにはバイクという便利な移動手段があったのに、なぜかバイクに乗っていかなかった彼の行動に、疑問を抱いた。
「おや、もう行っちまったのか?」
後ろからマチルダがテファの元へ歩み寄ってきた。このときに、シュウの姿は見えなくなっていた。
「姉さん。シュウはどうして、自分の体を大事にしないのかな?」
以前、大やけどを負ったことでマチルダに運ばれる形で帰ってきたときのことを思い出す。あの時は火事のせいで危機に陥った人を助けるために(実際は違うが)火の中へ飛び込んだのが原因だった。その結果がどうなるか、シュウだって理解できたはずだ。口を開けば他人のことについて一切無関心を通してそうな男が、なぜなのだろう。もし、子供たちに似たようなことが起こればティファニアも同じことをするだろうと考えるが、シュウの場合は違う。なんというか…自分の身を顧みなさすぎるのだ。テファの場合は自分の身が傷つくことに強い抵抗と恐怖を覚える。対外の人間もそういうものなのに、彼にはそれが見受けられないのだ。それが、テファの心配の度合いを強める。
「さあね。一応、無理はするなって念を押したつもりだけど…どうするかは、結局あいつ次第だからねえ…」
「そんな…」
「仕方ないよ。そこまで行き着くと、個人の捉え方によるもんさ」
それはそれで無責任じゃないか?ともいうが、マチルダの言うことは間違っていない。その先は個人…シュウ自身の見切りのつけ方に左右される。他人がどうにかできる領域じゃないのだ。
「…シュウ…」
(全く、女泣かせな奴だね。やっぱり、もっときつく言っておくことも考えておこうか?)
シュウが入り込んだ森の方を、心配
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