春奈-クラスメート-part2/少女たちの溝
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屈強な体の男が訪れた。二人の来訪に気付き、シェフィールドは早速二人のもとに歩み寄る。
「さて、ミス。あなたの自慢の『人形』は役に立ってくれますか?」
「…ご心配なく」
シェフィールドに声をかけられた女性は自信ありげに、フードの下で笑った。
「既にねずみを潜り込ませました。私も計画のため、直接トリステインに潜入致します」
「期待してますよ。では…あなたはどうするつもりかしら?」
今度は、屈強な大男の方を向く。フードの下に隠れた白髪と顔のしわは推定40歳頃に見せたが、鍛えられた筋肉質な体がそれを感じさせた。ベテランの剣士のような風貌だが、彼は剣を持っていない。鉄製の杖を持っていることからメイジのようだ。
「俺は好きにさせてもらう。チェルノボーグの任務は退屈だったしな」
「ああ、あの時ですか。怪獣を育てるための生贄として、あなたとワルド子爵に囚人を集めさせたんでしたね」
以前、チェルノボーグから脱獄者が現れたと気のことを覚えているだろうか。この男が囚人の脱獄を手引きした犯人の一人だったようだ。しかも、ワルド自身もそれに加担していたらしい。恐らく仮面の男がワルドだったのだ。だが、話の内容からして、脱獄させてもらった囚人たちは、結局捨て駒として利用され、殺されてしまったようだ。所詮罪人だから殺したところで大して困らないとでも考えていたのだろうか。
「好きにするとは言いますが、いったい何をする気で?」
「…ふ、俺の噂を聞くなら容易に思いつくのではないか?」
シェフィールドの問いに対して、男はにやっと、見るものを凍りつかせる笑みを浮かべる。この男は普通じゃなかった。人殺しを心の底から楽しんでいる。
「…ミス・シェフィールド。私がレコンキスタに身を置く条件として突きつけた例の件、お忘れなきよう」
女性が何やら気になることを言うと、「ええ」とシェフィールドは不敵な笑みを見せて頷いた。
ハルナの滞在を特別に許可されたその夜から、ルイズの部屋にハルナが新たな入居者として留まることになった。ルイズとサイトが同じ部屋を共有しているということについて、ハルナはサイトにルイズに変なことをしていないか疑ってきた。もちろん断固否定したが。
その後、サイトが藁で寝かせているという事実を聞いてハルナが使い魔だからって待遇が酷いとルイズを非難した。ハルナの態度に気圧されかけながらも、そろそろサイトへの待遇も、日ごろの感謝も込めて改善しようと考えていた(それを元来の性格ゆえに素直に表せなかったが)ため、サイトもベッドに寝かせることにした。
ただ、ルイズもハルナも互いを、サイトを狙うただの女として警戒していた。ルイズのベッドは結構なサイズなので、三人までならぎりぎりながらも入りきれるので、サイズについての問題はない。問題なのは、寝るポジション。当初はサイト
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