春奈-クラスメート-part2/少女たちの溝
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い、いえ。そんな身分じゃありませんから、ハルナで結構です」
「ふむ、ではそう呼ばせてもらおう。ミス・ヴァリエール達から言われた通り、ハルナ君は別の世界…地球から来たのじゃな?」
「え?地球を…ご存じなのですか!?驚きました。地球をご存知の方がいたなんて…」
「サイト君もそうじゃが、少しばかり縁があっての」
てっきりサイトから聞いたのだと思っていたが、それ以前から地球の存在自体を知っていたことを聞き、ハルナは驚いた。
「彼女は俺のクラスメイトなんです。俺のクラスで学級委員長を務めていました。それで知り合っていましたので、この学院に一時の間だけでも住まわせてほしいんです」
個人的にも、ウルトラマンとして未知なる脅威から突如この世界に迷い込んだ彼女を守るためにも、サイトは何としても彼女を目の届く場所に置いておきたかった。オスマンに何とか許可を下ろしてもらおうと、土下座までもした。
「学院には規則があります。それを守ってこそ規則となりえんことなのは私も理解しているつもりです。ただ、そもそも異世界の物や人が来るきっかけが、自然現象なのか人為的なものなのかはっきりしていない以上、私もサイト君の言うとおりしばらく住まわせるのがよろしいかと、私は考えます」
コルベールも一教師として、学院とは無関係な彼女を置いておくことは無理があるとは考えているものの、かといって今のハルナをそのままにしておくこともよくないと考え、ここは規則をまげて保護することを提案する。
「サイト君。なにもそのように頭を下げなくともよい。顔を上げなさい」
オスマンは穏やかな表情でサイトに言う。
「ふむ、サイト君の場合はミス・ヴァリエールの召喚魔法のよるものなのはわかる。では、君も使い魔として召喚されたというのかね?」
「使い魔…ですか。いえ、私は違う…と思います」
漠然としていたが、ハルナはなんとなく違う気がしていた。あの黒い雲には、なんというか、言葉では表せないほどの何かを感じ取っていたからだろうか。続けてコルベールが説明を入れる。
「ミス・タバサによると、彼女の体の契約を調べた際、他に怪我がないか彼女の体を調べましたが、契約のルーンは刻まれていなかったそうです」
「契約のルーンがない?つまり、君がこの世界に来たのは偶然ということになるのかの?しかし実に不思議じゃ。いったい何がそなたたちをこの世界に導いておるのじゃろうか」
サイトのケースとも違い、突如現れた異世界の少女。しかもサイトとはすでに顔見知りだったという事実。偶然にしては出来過ぎている。が、オスマンの場合、かつてMACの隊員と遭遇した経験もあるため、この話に強い信憑性を覚えた。
その後、ハルナにこの世界の情勢・状況についての説明を入れた。
この世界が世界史でいう中世ヨーロッパに近いもので、四系統の魔法が存在し、
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