虚無-ゼロ-part2/誕生!ウルトラマンゼロ
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も同じだよ。ブリミルには、使い魔が四人いてな。そのうちの一人がガンダールヴ。名前は…忘れちまったが、お前さんも確かその一人だったよ。胸に相棒と似た模様のルーンがあるだろ?」
「ああ、ルーンはこれな」
サイトは見本代わりに、左手のルーンをシュウに見せる。
「…確かに、俺の胸に刻まれたものと似ている」
伝説の使い魔、虚無の担い手…。だとすると、ティファニアは…。
「ゼロ」
と、ゲンがサイトの方を向いて、彼と共にある自分の弟子に語り始める。
「俺は一度、この星を離れるつもりだ。この星が少なくとも、外部より侵略者の干渉を受けていることだけは見えてきたからな。光の国にこの星の存在と状況を報告し、敵の攻撃に対処できるようにしなければならない」
『けど、ここから光の国って、どれだけ離れているかわからないだろ?』
「その場合はウルトラサインを送って位置を知らせている。いつまでかかるかはわからないがな」
この世界の存在をウルトラの兄弟たちに知らせるため、一度この世界から宇宙へ出るには理由があった。ウルトラサインとは、光の国のウルトラマンたちが持つ一種の連絡手段のことで、光の国独自の文字が光を使って描かれているようになっている。
ゲンがわざわざ宇宙へいったん出るのは、サインを出した際に、発信源を特定されることを懸念してのことだ。すでにこの世界の存在に気付いている侵略者もいるかもしれないが、もし、自分がウルトラサインをこの世界にとどまったまま放てば、さらに多くの侵略者がこの世界を狙って出現する可能性があったためだ。
「そっか…」
短い間だが、サイトはゲンから世話になったこともあって少し寂しさを覚えた。そんな彼に、ゲンは今度はサイト自身に向かって、ゼロの師としての言葉を贈った。
「サイトよ。これまで見てきたとおり、俺の弟子は父譲りの素質はあれど、まだまだ未熟だ。共に戦う者として、こやつを見てやってほしい」
「…はい!」
「では、また会おう」
ゲンは、再び傘帽子をかぶると、二人の前から歩き去って行った。背中からも感じられる男気と戦いの年季を感じさせるゲンに、サイトは男として憧れを覚えた。
(俺たちも、あんなふうになりたいもんだな)
(そうだな。俺もいつまでも今まで通りってわけにもいかねえ。せっかく元の姿に戻れたしな)
元の姿、と聞いて、サイトは自分の左手首を見る。ずっとしつこく手首に縛り付けられていたリング状のテクターギアが、あの白い光による爆発で破壊されたことで、ゼロは本来の姿に戻ることができた。おかげでさっきの戦いでも、ようやく光線技を使うことができるようになった。窮屈な場所から抜け出すとすごい解放感を覚えるものだが、二人はまさにそれを感じていた。
「レオ、また俺の知らないウルトラマン、か…」
シュウは、また一人自分の世界にはいなかった
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