虚無-ゼロ-part2/誕生!ウルトラマンゼロ
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姿を保つとエネルギーが切れてしまう。三人のウルトラマンたちは並ぶと、夕暮れの空の彼方へと飛び去って行った。
「見事でしたぞ、姫殿下」
マザリーニが笑みを浮かべながらアンリエッタに言った。
「いえ、あなたの真似をしてみただけです。もっとも声の大きさだけ、ですけどね」
ほほ、と勇ましい戦乙女の顔から一転して、淑女らしく口元を手で隠しながら彼女は笑った。
「うぅ…ん」
ウルトラマンたちが去って行ったと同時に、ルイズは目を覚ました。目覚めてすぐ、自分の周りでキュルケたちが自分を取り囲んでいるのに気づく。
「気が付いたかね。ミス・ヴァリエール。どこか体の具合は?」
「ミスタ・コルベール…いえ、大丈夫です」
大きな虚脱感と疲労感を感じてはいたが、ルイズは起き上がった。ふと、すでに空の日が沈んでいること、怪獣もウルトラマンもいないことに気が付く。
「あれ?怪獣は!?」
「ルイズが眠っている間、すでに怪獣たちはウルトラマンたちに倒されたよ。しかし、彼らは本当に無敵だったな」
ギーシュが誇らしげに頷いている。
「でも、あの闇の空間を黒いウルトラマンが作り出している間はかなり劣勢だった。白い光があの空間を消し飛ばした時から、戦況がいい方向に傾いたけどね」
キュルケの今の発言で、ルイズは思い出した。水のルビーとアンリエッタから託された古書が互いに反応し合って光り、古書に浮きあがった文を読み上げた自分が、始祖ブルミルが行使したと伝えられるあの伝説の系統…『虚無』に目覚めた時のことを。
「あれも、ウルトラマンたちが使った技なのでしょうか」
「それはない。もしそうだとしたら、初めから使っているし、苦戦もしない」
シエスタは、あの白い光がウルトラマンたちのいずれかが使った必殺技ではないかと勘繰ったが、タバサがすぐさま切り捨てるように否定した。確かに彼女の言うとおり、もしゼロたちにあんな大技があったら、ここまで苦戦することなどなかったはずだ。
ある意味、お決まりの反応と言えるかもしれない。まさか、魔法成功率『ゼロ』と言われてきた自分が、ましてや虚無の担い手だなんて、きっと誰も信じないだろう。でも、思えばサイトは伝説の使い魔『ガンダールヴ』の力を、自分とのコントラスト・サーヴァントにて手に入れた。使い魔が伝説なら、主人である自分も伝説。単純ながらも納得できる。
だが、ルイズの心に不安が走る。自分は本当に虚無の担い手なのか?もし本当だとして、自分にこんな大きな力が使えきれるだろうか…。不安でいっぱいになり、ルイズはふと、今の自分が求めている人間の名前を言った。
「サイト…」
「サイト君か?そういえば、いったいどこに行ったのだ?」
コルベールも、サイトがいなくなっていることを思い出す。さっきから姿さえも見せてこない。シエスタもサイトの行方が
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