結集-コンセントレイション- part3/結集!3大ウルトラマン
[2/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
もいいとは思う。でも、あの二人は自分のために危険なことをしているのではと不安が募っていた。実際、シュウは自分が盗賊から浚われた時もたった一人で彼らを倒し、直後に現れたナメクジの化け物を相手にしても全く物怖じせずに殿を務めて自分を村へ逃がそうとした。マチルダは、トレジャーハンターをやっているとか言っていた。しかし、その割にはサイトたちとギクシャクした空気を放ち、あまつさえ村の中で武器を構えて争い合おうとしていた。トレジャーハンターとは時に人同士で戦わなくてならないような仕事なのだろうかと思うと、やはり自分や子供たちのために姉には危険なことはしてほしくない。
シュウの部屋の机の上は、結構片付いていた。彼は無駄遣いをすることなく、買い物は必要最低限のものしか買ってこない。子供たちと違い、欲しいものなんて何もないかのようだ。置いてあるのは、彼が元板世界から持ってきた装備品や服。銃器については危険だから触らないようにと言われている。
ふと、机の上に置手紙が置いてある。まだ文字を習いたてで達筆とは言い難い感じの字だったが、ちゃんと読める。
『村から出るな』
ヤマワラワの一件でテファが自分を探しに村を出たことを知ったシュウは、それを見越して置手紙を置いていたのだ。勝手な人…そう思いかけてテファは首をぶんぶんと振ってたった今浮かんだ考えを打ち消そうとした。勝手なのは自分じゃないか。勝手に彼を呼び出し無断で使い魔の契約を交わしてしまい、彼の自由を奪った。この前のヤマワラワの一件も、元は自分が一人勝手に彼を心配しただけじゃないか。
…いや、違う。だからって彼らが自分の知らないところで何をしているのかを知らないままでいいのか?危険な行為をすることに目をつむったままでいていいわけがない。
でも、一体どうしたらいいのだろう…。どうしたら二人のことを知ることができるのだろう。
ふと、机の上の銃器の傍らに会置いてあるケースに目が入る。きっちり『TLT』とエンブレムがあることから、彼の故郷のものだろう。
(か、勝手に見たらまずいって思うけど…)
彼のことをもっと知りたい。知っておかなくてはならない。でも勝手に見るのはよくない…好奇心と良心の中で葛藤するも、好奇心が勝ったのか彼女はケースを開いた。
「…これって…絵…?」
ケースを開けた途端に飛び込んだのは、絵というものにしてはずいぶんと精巧な作りをした絵画だった。…いや、これを本当に絵画というべきものだろうか。まるで人間は見た景色をそのまま紙に焼き付けたようじゃないか。
テファが見たもの、それは写真だった。何枚か大事に、アルバムファイルに保管されている。一枚手に取ってみた。人懐っこそうな少年と、黒くて長い髪の少女などと一緒に写っている写真だった。一緒に写っているのは、彼の友人だろうか。彼には悪いが、意外だった。こんな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ