結集-コンセントレイション- part2/愚者たちの侵略
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逃げ惑う村人たちの中には、シエスタの家族もいた。すでに、彼らが暮らしていた家は敵の手によって破壊され、その爆風で母が気絶してしまった。シエスタの弟たちの中で年長だった少年、ジュリアンは父と姉に代わって家族を守るため、母を抱えたくさんの弟や妹たちを連れて森へと逃げ延びて行こうと走り続けた。
だが、それを阻む厄介者が彼らを狙ってきた。上空から赤い竜に乗ってきた竜騎士たちが降りてきた。
「どこへ逃げるんだよ平民!」
「上玉の奴もいるな。こいつは楽しまねえと損だな!」
崇高な理想を掲げている組織の人間とは思えない下卑た声が響く。竜騎士たちの中には、レコンキスタに雇われた傭兵や盗賊たちも数多く参加していたのだ。自分たちには怪獣や宇宙金属で強化した戦艦があることをいいことに、地上に降りて略奪を働こうと言うのだ。
空から竜に跨りながら、魔法でタルブの逃げ惑う村人たちを直接襲って行く。
「ぎゅあああ!!!」「と、父ちゃああん!!!」「や、やめてくれえええ!!!」
炎で焼かれて、風で切り裂かれ、水球を被らされて溺れさせられて、土の中へと引きずり込まれ、やりたい放題だった。タチが悪いことに、彼らは逃げ遅れた村人の中で、とりわけ容姿の美しい女性を見つけると、すぐさまレビテーションの魔法をかけて自分の元へと引き寄せる。
「へえ…こんな田舎くさい村にも、かわいい嬢ちゃんがいるじゃねえの?」
「や、止めてください!!」
「待ってくれ!彼女は私の妻だ!!」「やめろ!姉ちゃんを返せ!」
「うるせえ!貧弱ななりのくせして!!」
「「うあああああ!!!」」
たとえ人妻であっても、彼らはお構いなしに女性を捕まえては、取り戻そうと近づいてきたその旦那や恋人も、親兄弟でさえも返り討ちにする。
「へっへっへ。せっかくだ。こいつらの前で楽しませてもらうぜ!」
「うはっ!アニキってば鬼畜ぅ!旦那の目の前で若い嫁さんを剥ぐとはよ!」
嫌らしく表情を歪ませながら、彼らは乱暴に女性たちの服を掴み、破り捨てようとした。
「やめろおお!!!」
自分の愛する人たちが汚い連中に、それも目の前で穢されていく姿など誰が見たがるものか。必死に止めるように叫ぶも、それは下種な盗賊たちの耳に届かなかった。
だが…。
バキィン!!
「ぐああああああ!!!?」
そんな傍若無人な盗賊を許さない、正義の志を持つ者の耳には届いた。盗賊の一人が、どこからか現れた人物に殴り飛ばされた。
「な、なんだてめえは!?」
盗賊の一人が、突然仲間を殴り飛ばしてきた人物を睨み付ける。
その男は…ウルトラマンレオの人間体、おおとりゲンだった。
「…お前たちは利用されている身。お前たちだけに責任は押し付けられない。だが…」
ゲンはかつて地球を守ってきた身。人間を強く愛する心がある。だから本来は
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