結集-コンセントレイション- part2/愚者たちの侵略
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ボーウッドが、ジョンストンをいさめるように言うと、ジョンストンは逆切れして怒りの矛先を彼に向けた。
「ええい黙れ黙れ!!竜騎士隊では歯が立たんのは貴様のせいだぞ!」
ジョンストンはついに激昂のあまりわけのわからないことを喚きだした。お蔭で兵たちのジョンストンを見る目が白くなっていく。ついにイラッとしたボーウッドは、ジョンストンのみぞおちにキツイグーパンを与え、ジョンストンを気絶させてしまった。戦場に砲撃と命令以外の音はいらない。戦場の空気にただ怯えるだけのこいつの声は耳障りだった。
「…その方を部屋に運べ」
適当な部下に命令し、白目をむいたジョンストンは運ばれていった。
「やれやれ、ジョンストン君は世話を焼かせるな」
クロムウェルが降りてきて、運ばれていくジョンストンを呆れた目で見送った。そんな所詮形だけの司令官をこの間に付けたのはどこの誰だ、とボーウッドはクロムウェルに心の中で毒を突く。
「まあ、我らの勝利は決して揺るがないだろう。異世界のお友達の技術で強化されたこのレキシントン号に死角はないし、ワルド君もいるからね。
ただ残念なのは…『ウェールズ君』がまだ動ける状態じゃないことだな」
ふ、と笑って見せるクロムウェル。ボーウッドは胡散臭いものを見る目で、不本意ながらも現在の主であるクロムウェルを睨んだ。間違いなくこの男は…ウェールズを人間として見ていない。恐らく…こいつにとって自分以外の人間など、『道具』でしかないのだろう。
しかし、そのクロムウェルもまた利用されているだけの身だったことに、レコンキスタの誰もが気づいていなかっただろう。
「意外ね…まさか、地球の防衛兵器をこの世界で見ることになるなんて」
クロムウェル達のいる場所とは反対方向の、レキシントン号の前甲板でそう呟いていたのは、表向きはクロムウェルの使い魔兼秘書とされているシェフィールドだった。この星の人間に宇宙へ進出できる技術などないはずなのに、ホーク3号のことを彼女は知っているような口ぶりだった。
「ぐわあ!!」
すると、レキシントン号のどこからか悲鳴が聞こえてきた。シェフィールド・クロムウェル・ボーウッドはその悲鳴が聞こえた方を向く。
「た、大変です!侵入者です!侵入者がこの船に乗り込んでいます!!」
(侵入者!?)
ボーウッドは驚く。ありえない。このレキシントン号は近づくものをすぐに打ち落とせるように大砲を装備している。それにここは空だ。竜かグリフォンがいなければ空を飛ぶこともままならないし、近づいたところでこのレキシントン号に装備されたレーザーですぐに対処できる。にも拘らず、敵の侵入を許したと言うのか?
「敵は一人…見たこともない服を着た壮年の男です!!」
その男とは、なんとゲンだった。コルベールたちのいる場所から離れた後、いつの間にかレキシント
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