結集-コンセントレイション- part2/愚者たちの侵略
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いていた。
「大丈夫よ、その必要はないわ!」
その声と同時に、上空からキュルケたちを乗せた風竜シルフィードが降りてきた。同じく、搭乗していたシエスタが降りて家族の元へと走り寄る。
「姉さん!」
「ジュリアン!」
なんとか無事だった家族の無事を、シエスタは弟たちと喜び合った。キュルケたちもまたシルフィードから降りると、コルベールがすぐにタルブ村の住人達に向けて叫ぶ。
「みなさん!この森からは決して出ないように!私が責任もって皆をお守りしましょう!」
こういう緊急事態にこそ、自分たち貴族が率先して力なき民を守らなくてはならないのだ。
コルベールは、街の方を見やる。その時の彼の脳裏に、いつぞやの記憶の映像が流れ込む。
ある日の夜、街を燃やし、すべてのを見込もうとする残虐な炎。それによって焼け落ちていく村と、そこに住まう住人達。彼もまた、この悲惨なる戦場の光景は初めてではなかった。
「火の可能性は…破壊だけなんかじゃないんだ…」
すでに地上を襲った兵たちは逃げている。だが、怪獣ばかりは無策のまま倒すことはできない。怪獣たちの手によって粉々に破壊され、中にはとある一軒に火事が発生したタルブの村を見つめながら、コルベールは顔を悲しそうに歪ませた。
ウエストウッド村は一方で、至って平和…ではあった。だが、このような都市から離れた森の中にも、戦争の空気というものを感じ取っていたものがいた。
朝食の食器洗いに取り掛かりながら、タルブ村の惨状を、ヴィジョンを通してシュウも見ていた。酷かった…その一言で片づけられようがない状態だった。
(……最悪だ)
綺麗な草原や花畑、畑や放牧場が、怪獣や過度な強化を施されたレコンキスタの艦隊によって滅茶苦茶にされていく。
シュウには、見覚えがあった。戦争の惨状を、数年前まだ少年だった頃に……。
ドパパパパ!!ドオオン!!
『『『ぎゃああああああああああ!!!』』』
銃が乱射される音、爆弾が次々と降りかかって爆発する轟音。人がその流れの中で次々と死んでいく様。シュウは、その生と死のみが支配する混沌の世界のど真ん中に立っていたことがあった。血なまぐさくて、腐乱臭が漂い、死体の山が歩く度に転がっていて、できることなら、すぐにでも立ち去りたいと思わざるを得ない場所…戦場。
あの時の自分は、草陰をかいくぐり、少しでもとばっちりや流れ弾に当たらないように、ヘルメットをかぶりながら逃げ延びていた。
なぜこんな場所に彼が立っていたのか、そしてなぜ、何者から逃げているのかはまだ語ることはできない。はっきりしているのは、戦場はとんでもなく立っているだけで糞喰らえな場所であるということだ。
アルビオン…いや、レコンキスタについた兵たちが暴れ、略奪と横暴を繰り返す。どこの世界でも戦争とは見るものを不快にさせてしま
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