結集-コンセントレイション- part2/愚者たちの侵略
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、人間に手を挙げるような真似をしたくはなかった。ましてや変身して懲らしめるなんて真似は到底できない。
「いい大人なのだから、していいことと悪いことの区別くらい、つけるべきだな」
しかし、だからといって人間だろうと目の前で悪事を働くものを許しておくことはできない。人間を強く愛するからこそ、人間の立場に立ってこの悪事をとめるのだ。
「何をぬかしてやがんだこの野郎!!ファイヤーボール!」
「いけない!逃げて!」
村人たちがゲンに向かって叫ぶ。が、心配無用。ゲンは地球防衛を務めていた頃からこれまで数多の侵略者と戦い通津手てきた猛者。たかが盗賊ごときに引けをとることはない。たとえ人間の姿になっている今もかわらないのだ。
火球が飛びかかってきても、なんとゲンは掌底を突き出しただけでファイヤーボールをかき消してしまった。
「な、なんだ…なんだお前!!」
「す、素手で魔法をかき消した!?」
アルビオン所属の盗賊や傭兵どころか、助けてもらっている村人たちでさえ今のゲンの荒業に目が飛び出しそうになった。
「うああああああ!!!」
恐れをなしたアルビオン兵がゲンに向かってさらに魔法を撃ってきたものの、ひらりとかわしたり、今の僧服の重みを感じさせないほどの跳躍力で宙を舞うと、敵兵に向けて得意の飛び蹴りを撃ちこんだ。
「がふ!?」
さらに、目にも止まらない速さで彼は次々と、まるえカンフー映画のワンシーンのように、あっと言う間にアルビオン兵たちを倒し、気絶させてしまった。
数人だけ、ゲンのあまりの強さに圧倒され、怖気ついて手を出せなかった兵が腰を抜かしていた。ゲンは彼らの元に一歩一歩近づく度に、敵兵は歯をガチガチと鳴らし、完全に戦意を失っていた。
「去れ。でなければ、たとえお前たちが人間でも加減できなくなるぞ?」
「ひ、ひぃいいいい!!!」
「お、覚えてやがれ!!」
ゲンから向けられた、槍よりも鋭い視線に突き刺され、残った敵兵はベタな捨て台詞を吐いていちもくさんに仲間を見捨てて逃げ出していった。
「お、おおおおお!!!」
あまりの神業を目の当たりにして、タルブ村の住人達は思わず拍手してしまった。賊から乱暴されかけた女性の一人が代表して、ゲンに頭を下げて礼を言った。
「あ、ありがとうございます!!何とお礼を言えば…」
「いや、礼を言われるほどの事でもない。それよりも早く逃げろ。もうすぐここに怪獣と戦艦が迫ってくる」
ゲンは、レコンキスタが引き連れている怪獣たちと、その後ろで構えている戦艦の群れが埋め尽くす上空の空を見上げた。
(レコンキスタ…果たして奴らを裏で操る星人は一体…?)
「待ってくれ!まだシエスタ姉さんが!」
すると、シエスタの弟の一人が大声を出す。まだ姉シエスタが戻ってきていないことに気づき、すぐにでも探しに行かなくてはと急
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