思い出-メモリーズ-part2/妖精の歌
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次の行動に移るといい』
少なくとも、誰かを狙ってシェフィールドを使ったにも関わらず、手のひらを返すようにこの場から退去するように言ってきたのだ。
『捕まえなくてよろしいのですか!?』
『私は何も「必ず捕まえて来い」とは言っておらぬ。すぐ捕まるようでは、かえって退屈だからな。寧ろ困難な方が、遊びがいがあるというものだ。
それに、興味深いのだ。お前の報告してきた「見たことのないウルトラマン」…というものにな。それより…今アルビオンで進めている計画の方に移るのだ』
『…わかりました』
『期待しているぞ。余の「ミューズ」』
シェフィールドは声の主の言うとおり、ガーゴイルをこの場から退かせた。
靄に包まれたヤマワラワは、立ち止まった。それに気づいたシュウも、光線の構えを解く。
テファの魔法、『忘却』が効いてくれたようだ。テファが忘却の魔法で消したのは、『ウルトラマンと戦う理由』だった。そのため、自分はさっきまで何をしていたのか、どうして暴れていたのかわからず、呆然と立っていた。
「ヤマワラワ!」
テファがヤマワラワの名前を呼ぶと、ヤマワラワは彼女の方を向いた。
「彼は…ウルトラマンは悪い人じゃないわ。だから、あなたたちが戦うこと理由なんてなにもない」
首を横に振り、戦うのをやめるように彼女は訴えた。辛そうに顔を歪めているテファを見て、ヤマワラワは流石に頭を冷やしたようだ。彼はティファニアのもとに歩み寄った。
「ヤマワラワ、あなたならきっと村の子供たちとも仲良くなれると思うの。一緒に…村に来てくれる?」
「………」
幼き日の自分と仲良くやれたのだ。きっとウエストウッドの子供たちもヤマワラワを受け入れてくれるはずだ。
だが、ヤマワラワはそれはできないと言いたげに首を横に振っていた。
「どうして?」
理由を尋ねるテファだが、ヤマワラワは人間の言葉を話すことができない。理由を知りたくても、知ることができなかった。
すると、ヤマワラワは何処か遠くにいるであろうシェフィールドによるものか、紫色に輝く光のカードとなって、どこかへと消えていった。
「ヤマワラワ?どこに行くの…?ヤマワラワ!!」
突然、旧友の姿が消えてなくなったことに、テファは一体何がどうなっているのかわからなかった。
あたりをキョロキョロ見渡しても、彼の姿が一体どこへ消えてしまったのかわからない。ヤマワラワの姿は影も形も見当たらなかったのだから。
突然の別れに割り切りも理解することもできず、テファの目から涙が溢れた。
―――――ヤマワラワああああああああああああ……!!!!
叫び声は、山彦となってアルビオンの山々に木霊し続けた。
人知れず変身を解いたシュウは、彼女のもとに歩み寄ってきた。シュウの存在に気づいたとたん、彼女はシュウの胸に飛びこんで
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