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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
再起-リヴァイヴァー-part2/兆しと和解
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る観客席のような場所がそう思わせた。
しかし、ボーウッドをさらに驚かせたのは、リングの中央にいる人物あった。
「うぇ、ウェールズ皇太子!?」
そこには、なんとウェールズがいたのだ。体育座りで無防備にも中央に座り込んでいる。すると、彼の正面の、鉄格子扉が上げられ、その奥から一体の怪獣が姿を現した。かつてウルトラマンジャックが戦った怪獣『凶暴怪獣アーストロン』だ。アーストロンはひどく飢えていたのか、ウェールズを見てヨダレを滴らせている。明らかに彼を餌としてみている。
「か、閣下!何をしているのです!!皇太子様を怪獣の餌食にさせるつもりか!」
他にもいろいろと言いたいことがあるほどの勢いでボーウッドはクロムウェルに詰め寄った。
「まあ待ちたまえ。慌てることはないさ」
胸ぐらさえ掴まれているのに、クロムウェルは笑ったままだ。こいつはふざけているのか?それとも王室から奪った権力に酔いしれすぎて頭がおかしくなったのか?いっそ軍人としての立場も忘れて殴りかかって見せようかとも思った時だった。
「大丈夫さ。ウェールズ君は未完成だが…強いのだよ」
「…は?」
「付け加えると…我らの理想を阻む、あの邪魔くさいだけの『ウルトラマン』共よりはね」
「…!?」
ウルトラマンの噂は、ボーウッドも知らないわけがない。トリステインに突如その姿を現した正体不明の巨人。あるものは英雄とたたえ、あるもの…例えば最近壊滅的被害を受けたラ・ロシェールの生き残った街の人からは悪魔とも称されている。
しかし、このクロムウェルの言い方に引っ掛かりを覚えた。邪魔くさいだけ…と。もしや、クロムウェルにとって、いつどこに現れるかも人間にはわからないウルトラマンさえも、レコンキスタの理想の障害となるのか。
「う、うううううううううあああああああ!!!!」
体育座りのままのウェールズから溢れんばかりの悲鳴と、黒い瘴気のようなものが溢れ出たではないか。紫色の光が彼を包み込み、視界を奪う。ボーウッドは思わずクロムウェルから手を離して目を塞ぐ。
「グギャアアアアアアアアアア!!!!」
次に聞こえたのは、アーストロンのものらしき断末魔だった。
光が晴れたのを察知し、ボーウッドは目を開く。その場所に、アーストロンの姿はなかった。それどころか、ある意味ウェールズがアーストロンに食われるという光景よりも、もっとおぞましい光景だった。
闘技場は血だまりとなり、あちこちにはバラバラに切り裂かれた赤黒い肉片が原型さえも止めないほど散らばっていた。
ボーウッドは、思わず吐き気を感じて口を塞ぐ。少し時間を置き、吐き気が引いたところで彼はクロムウェルに尋ねた。
「一体皇太子様に何をしたというのです…!?」
「アルビオン王家の血縁者には、希に祖先から受け継がれし、魔法ともまた異なる特殊な能力を授かる
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