再起-リヴァイヴァー-part2/兆しと和解
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抜けてきた彼は、自分たちウルトラ戦士はたとえどんなことがあっても屈してはならないということを学んだ。だからこうして、一度の失敗でくじけそうになっている弟子とその宿主を見過ごすことはできなかった。
「この村にとどまっている間ならば、何度でもお前の相手をしてやろう。それまでの間に俺にお前たちの本当の強さを見せてもらうぞ」
ゲンは踵を返すと、サイトたちの前から去っていった。
「……」
村に留まる間なら何度でも相手をしてやる。
その言葉は、まだゲンが自分たちに希望を抱いているという証。
サイトは、ツルギの光線で街を破壊された際に両親が死んだときのことを、アルビオンへの旅で起こった悲劇の連続を思い出す。
もし、俺が…俺たちが戦うことを放棄したら…ルイズたちは…父さんと母さんのように…。
嫌にもブラックな想像をしてしまった。
…思い出した。どうして自分が、少なくともアルビオンへの旅が始まる前まで帰りたいと思わなかったのか。
黙って見ていることができなかったからだ。地球で腐るほど起きた悲劇が、自分の身に起きた最悪の時がこの世界の仲間や多くの人達に訪れることが我慢ならななったからだ。
そうだった。俺たちは元の世界へ帰ることで目の前から逃げる、他人から認められることに頭がいっぱいになって…本当にすることを見失っていた。
ルイズたちが今いる世界のことを、何も考えていなかった…。
「…ゼロ、俺…もっと強くなりたい」
『…ああ』
サイトの、目つきが変わった。ゼロも不本意ながらも、サイトと意気投合した。
本当の意味で二人は、初めて意思を合わせた。
デルフはそんな相棒を見て、ホッとひと安心した様子だった。目を見ればわかる、ほんのちょっとだけだが、大きな一歩を踏んだような目をしている。
気がついたら、すでに翌朝の朝日が登ろうとしていた。
「…なあ、そろそろ戻らねえとやべえんじゃね?」
「戻る?…ってやばい!そうだった!もう戻らないと!」
朝日を見たデルフの一言で、サイトは我に返る。
シエスタの話だと、タルブ村の朝は早いらしい。農業経営をしている家庭というものは地球でも大概そういうものだが、朝に弱い自分としてはこんなところばかり共通しないで欲しいものだ。
元気を取り戻したサイトとゼロだったが、この時は朝日を呪いたくなった。早いうちに戻らないと。あまり遅くなると、今はまだ溝がある状態とは言えルイズからまたどやされそうな気がしてならない。
しかし、サイトは宿に戻る途中で、ルイズと鉢合わせしていた。
「る、ルイズ!?」
ルイズも朝に弱かったはずだ。学院にいた時だって自分に起こしてもらわないとなかなか起きられないタイプだということはサイトも既にしたこと。でもどうしてこうして一人で、こんな朝早くから外に?
「な、なによ!今私は忙しいの」
急にサ
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