再会-リユニオン-part3/獅子との遭遇
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衣をもう一度動かすことが出来るって聞いたときは、『この炎蛇のコルベール、燃えてきたぞ!』って張り切っておられましたよ」
「そっか…」
コルベールは貴族平民とかその隔たりにいちいちこだわらないし、それどころか誰にでも分け隔てなく接するところは教師の鏡だと思った。さらに彼は研究者としての顔も持ち、日々新しい発見に目を向けているという。あの人は変わった人だ。でも、サイトはコルベールの人柄には好印象を抱いていた。今頃ホーク3号のもとで、まだわずかに数滴残っていた燃料の解析と調合に当たっているだろう。
「サイトさん、ひいおじいちゃんの名前を知っているって言ってましたよね。ひいおじいちゃんって、どんな人だったんです?」
「…俺さ、怪獣災害で家族を亡くしてるんだ」
それを聴くと、シエスタは驚いて隣に立つサイトを見た。
「その時、新しく俺を引き取った母さんが…シエスタのひいじいさんの元同僚だったんだよ。若かった頃は何度も一緒に、地球の平和を守っていたって、何度か母さんから聞いたことがあるんだ」
「そうだったんですか!?ひいおじいちゃんって、そんなにすごい人だったんですね!」
学院を襲ってきたクール星人やトリスタニアを襲ったディノゾール…怪獣の恐ろしさはシエスタもすでにわかっているつもりだった。そんな凶悪な存在と自分の曾祖父が戦っていたなんて、自分の祖のなんと勇敢なことだろうと思わずにはいられなかった。
「しかも、私のひいおじいさんとサイトさんのお母さんがお知り合いだなんて…もしかして私とサイトさんって、運命の何かで結ばれているのでしょうか!?」
シエスタにとって、サイトが教えてくれた事実は嬉しいものだった。義理とは言え想い人の母と自分の曾祖父がかつての仲間で、その家族である自分たちがこうして巡りあったことに運命めいたものを感じずにはいられなかった。
「あの…サイトさん」
シエスタは意を決して、胸を高鳴らせながらもサイトに言った。
「もしよろしければ、私とこの村で暮らしませんか?」
「え…?」
その意図が理解できないほどサイトは鈍感ではなかったようで、思わぬ告白を受けたサイトはシエスタを見る。
「サイトさんと出会ったとき、ああ…これってきっと運命の出会いっていうものなんだって。これまでサイトさんの姿は、貴族様たちの影に怯えていた私たちにとって輝いて見えていました。もう…サイトさんへの思いを抑えられないんです。だから、教えてください。サイトさんのお気持ちを…」
シエスタは確かにかわいい。家事全般は得意な上に…脱いだらすごい。フルハシから受け継いだ、懐かしい黒い髪と瞳。こんな子に好かれたと、もし故郷のクラスメートたちが聞いたら、『平賀の裏切り者!』と羨ましさのあまり罵ってくるだろう。けど…。
サイトは思い出した。アンリエッタの依頼を受けて旅に出
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