再会-リユニオン-part3/獅子との遭遇
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院に帰ってからにいたしましょうか。それよりも、今はこの竜の羽衣のことですな」
しかし、コルベールはルイズ達のサボりのことを重要視しなかった。それ以上に、この竜の羽衣に強い興味を惹かれていたのである。コルベールはホーク3号に近づきその目でチェックし始めた。
その日はシエスタの紹介で、一同は彼女の家でご馳走になった。余談になるが、村名物の『ヨシェナヴェ』という料理の正体も、実は日本の『寄せ鍋』をハルケギニアの具材で再現したものだったことも明かされた。
シエスタは8人兄弟の長女で、両親や祖父母はそれぞれの子供たちとの年齢差が大きくなく、実年齢よりも若く見られる人たちばかりだった。
彼女の両親や7人もの弟妹たちは貴族の一行が自宅を訪ねてきたことに驚き、さらにはシエスタがやたらサイトを気に入っていることに気が付くと、マルトーがサイトを気に入ったときのように彼をたいそう気に入り、いつまでも滞在しても構わないというほど。久しぶりの家族とのふれあいを楽しんでいたシエスタを見て、サイトと、彼の中にいたゼロは羨ましくなっていた。あの旅で何もこなせず何も守れなかった自分の存在を無意味に感じる時にホーク3号を見て、さらに望郷の思いが強まっていた。
ルイズはシエスタを見ているサイトに話しかけることなく、ただ彼をじっと見ていた。シエスタに気があるのではと最初は不機嫌に思っていたが、その目がどこか悲しげに見えていることに気がつく。自分やシエスタには家族がいる。だが、彼の家族は遠い世界にいる。会えない寂しさを押し殺そうとしているのがなんとなく理解できた。昨日は、アンリエッタからの任務の失敗・ワルドの裏切り・ウェールズたちの王党派の壊滅のショックで、同じ痛みを抱えているサイトに、内心では慰めて欲しかった。けど、同じ痛みを抱えていたからこそサイトも自分を責めていた。それに自分が勝手に苛立って彼を突き放すような言い方をしてしまったことを後悔した。
タバサはやたらとたくさん食べ、ギーシュは村の娘たちを口説こうと、キュルケは美味しい特産品は他にもないのかとか、コルベールはホーク3号を観察したりと一時の安息に浸っていた。
サイトはその一方で、シエスタから二人で草原に出かけようと誘われ、早速草原にやってきた。ちなみにデルフはシエスタの家に用意された客室に置いてけぼりになった。自分の村ながらとても綺麗な景色だから、まっさきにサイトに見せておきたかったのだと彼女は語った。
確かに、これだけの広大な天然の美しさを持つ草原は外国の景色で、日本暮らしのサイトにはとても新鮮な光景だった。吹き抜けるかぞも心地よく、この草原なら野宿することになっても文句ない。夜には星空も見えるほど空も綺麗だった。
「ミスタ・コルベールはしばらくこの村に泊まり込むそうです。サイトさんから燃料さえあれば竜の羽
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