再会-リユニオン-part2/タルブに眠る先人
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いられないもの」
「僕たちもいるぞ!」
続いてギーシュが、さらに本を立ち読み歩きしながらタバサが、最後にルイズが、サイトから視線を背けたままひょっこりと顔を出してきた。キュルケたちはともかく、ルイズまで顔を見せてきたことに対してサイトは意外に思った。
「…別に、追いかけてきたわけじゃないんだから」
「まだ何も言ってないだろ」
素直にサイトとシエスタが仲良さげに話していたことが気に食わなかったことを認めないルイズはサイトが特に何も尋ねてこなかったのにそう言った。
「勘違いされると困るからよ!」
「俺が何を勘違いするっていうんだ?そもそも、使い魔にするんじゃなかったって言い出しやがったお前が俺なんかに構う義理なんかないだろ」
「あ、あるわよ!あんたみたいな平民の使い魔を使役できないんじゃ実家に顔向けできないじゃない!べ、別に気にしてたわけじゃないんだからね!」
『…ぜってー気にしてるって言ってるようなもんだな…』
ちなみに、サイトの目を通してルイズの態度をじっと見ていたゼロは、ルイズの今の感情を手に取るように予測していた。
「あ〜、はいはい。痴話喧嘩はあとにして」
「「誰が痴話喧嘩だ/よ!!」」
ふたりがいがみ合っているのを見かねたキュルケが両手を叩いて二人を我に変えさせ、二人はムキになって言い返す。
「タバサ、タルブ村まで全員乗せていけるかしら?」
キュルケのタバサへの言葉にサイトは耳を疑った。
「まさかみんな着いて来るのか?」
「ええ、タバサのシルフィードなら全員乗せていけると思うけど、タバサはいいかしら?」
「別にいい」
しかもタバサは合意した。さすがにこの人数ではちとシルフィードの体に負担がかかるのではないだろうか。
「大丈夫なのか?」
上空を飛び回るシルフィードを見上げながらサイトは心配すると、タバサがサイトに言ってきた。
「シルフィードなら問題ない。全員乗せていける」
こう断言したタバサなのだが、この時どこからか「ぎゅいぎゅい!」と、まるで人を酷使するなと言わんばかりの文句をたれるような鳴き声が聞こえてきたが誰も気に止めなかった。
「タバサもこう言ってるんだし、早速タルブ村へ行きましょうか!」
半ば強引にキュルケが宣言し、一行はシルフィードに乗ってタルブ村へと直行した。
タルブ村は、ラ・ロシェールのさらに向こうの草原にある、まるで外国の童話の世界に存在してるようなのどかな村だった。
「ここがタルブ村か」
青空が広大に広がり、その下にある田畑も美しく彩っている。田舎だからこその澄んだ空気を吸って、サイトは爽やかな笑みを浮かべた。飛んでいる間も彼と一言も話さないままだったルイズはサイトを見る。なんて嬉しそうな顔をしているのだろうか。こんな顔を自分の前で見せてくれたことなんてあまりなか
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