暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
再会-リユニオン-part2/タルブに眠る先人
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ズは鬼の形相でサイトのもとへ行こうとしたが、三人が必死になって彼女を無理やり物陰に引き止めていた。
「え…ああごめん!俺ってば何やってんだろ…」
「相棒にしちゃ、ちと張り切りすぎじゃねえの?街の真ん中で女を…」
「ち、違うって!ただ勢い余っただけで…!」
我に返って直ちにシエスタから離れたサイトは恥ずかしくなって頭を掻くと、ようやく鞘から顔を出したデルフが呆れた様子で口を開いてきた。軽く咳払いし、話を戻した。
「ん、んん!で…話の続きは?」
「私が生まれるずっと昔のことなんですけど、ある日ひいおばあちゃんがブドウ畑を見に外へ出たときのことなんです…」
シエスタは、曾祖母から聞いた話をサイトに説明していった。
彼女の曾祖母が外出したその日は日食が発生した日だった。二つの月と太陽が重なるという点以外では特に変わったことはなかったはずなのだが、日食以上に変わった出来事があった。日食によって暗くなったタルブ村の上空に、二匹の見たこともない、ものすごい唸り声を上げた竜が日食の中から現れたそうだ。片方の大きな竜は再び日食に消えたが、残った小さい方の竜がタルブ村に落下したというのだ。
「その竜に乗ってきたのが、私のひいおじいちゃんだったんですよ」
「それが、前に言ってた『竜の羽衣』ってやつ?」
「はい」
(竜の羽衣か…一体どんなものなんだ?)
日食の中から現れた二匹の見たこともない竜、そして竜の羽衣か。異世界からやってきたことを自称していたシエスタの曾祖父が乗ってきたというそれは一体どんなものだろう。サイトは非常に興味がわいた。それはゼロも同様だった。もしかしたら、本当に異世界人なのかもしれないのだから気になって仕方ない。
「シエスタ、村にはいつ行くんだ?」
「今日中には向かうつもりですけど…ひゃ!?」
そこまで言ったところで、シエスタはいきなり両手をサイトに握られた。しかもサイトはまっすぐな視線でシエスタを凝視している。
「なら、俺も連れてってくれないか!?」
しかも止めを刺すかのごとくこの一言。サイトにとって、これは故郷へ帰るための真面目で必死の頼みごとのつもりなのだが、両手を握られまっすぐな視線に当てられてこんなことを言われ、シエスタは心臓がバクバク鳴り始めた。もしシエスタの曾祖父のことを話していない流れだったら、まるでシエスタの両親に結婚の了承をもらいに行く為に村を尋ねているようにも見て取れる。分かっていても、シエスタとしてはドキドキせずにはいられない。
「それ、なかなか面白そうな話じゃない!」
「「!」」
まさに瞬足、瞬間移動したかのように、いつの間にかキュルケがふたりの目の前にズイっと迫ってきていた。
「き、キュルケ!?学院に戻ってたんじゃなかったのかよ!?」
「竜の羽衣ねえ。そんな面白そうな話を聞いて黙ってなんて
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