再会-リユニオン-part2/タルブに眠る先人
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サイトのことを思い出して、ギーシュが口を開いた。
「しかし、いいのだろうか?このままサイトをほうっておいて…」
メイジと使い魔は一心同体。彼らは魔法学院でそう学んできた。このまま離れ離れで本当にいいのだろうか?むしろこういう時こそともにいるべきじゃないのだろうか。
「別にいいんじゃない?」
キュルケは興味なさげに返してきた。
「いいんじゃないって…君は…」
「あたしとしては、ダーリンを狙うライバルが減ってくれたという点ではむしろ喜ぶところだし」
「キュルケ…!」
聞き捨てならなかったのか、ルイズはキュルケを睨んできた。しかしキュルケは全く物怖じしない。元々ルイズがどんなに睨んでいても怖気つく素振りさえ見せなかったが。
「あら、どうしたのかしらヴァリエール。またそんな怖い目で睨むなんて」
「言っておくけど、ヴァリエールがツェルプストーなんかにくれてやるものなんてなにもないんだから!」
「別にいいじゃない。ダーリンはあなたの使い魔であって恋人じゃ…あら?」
キュルケは続けようとしたが、ふと遠くのものを見て言葉を切った。
「どうしたんだい?」
ギーシュが顔を覗き込んで尋ねる。
「サイトだわ。それに、隣にはあのメイドもいるわね」
「!?」
それを聞いたとたんルイズはキュルケが見ている先と同じ方向…街の広場の噴水の前を見る。キュルケの言うとおり、噴水に腰掛けるサイトと、その隣に座っている私服姿のシエスタがいた。
「あ、あの犬…!!!」
サイトの隣にシエスタがいるという事実に、非常に不快な思いを抱くルイズ。ギギギっと歯ぎしりし、あからさまに彼女の気持ちを体現している。あまりにわかりやすいリアクション、ギーシュとキュルケはやれやれとため息を漏らした。
「それにしても、あの二人何を話しているのだろうか。まさかあんなことがあった後で愛の語らいなんてことはないな?」
「ダーリンはそこまで空気読めない人とは思えないけどね。ちょっと話を聞いてみましょうか」
キュルケはそう言うと、サイトとシエスタのいる噴水広場へと近づき、ちょうどいいところで見つけた店の物陰からふたりを観察した。
「盗み聞きだなんて貴族のすることじゃないのに…」
とか言いながら、ルイズが一番気になってるのが見え見えであった。口には出さなかったが、ギーシュとキュルケはなんだかんだでサイトのことが気になって仕方ないルイズを見て笑いをこらえていた。
自分たちが覗かれているとは知らず、サイトとシエスタは噴水の腰掛けに座って話していた。
「どうして街に?」
「それはこちらのセリフですよサイトさん!ここしばらく学院にいらっしゃらなかったじゃないですか!ミス・ヴァリエールたちもいなくなっていたとかで騒ぎになっていましたし、私はもちろん、マルトーさんたちも心配したんですよ!?
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