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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
再会-リユニオン-part2/タルブに眠る先人
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式の詔を任せるために用意した一冊の手帳のような古い白紙の書物(どうも王家にとってかなりの貴重な品らしい)を託されると、姫の居室から出て、城下の階段で待っていたキュルケ達と合流した。
「報告はもう終わらせたわ。学院に借りましょう」
他にいうことは特になく、ルイズはそう言って先頭切って歩き出した。
「姫殿下、大丈夫だろうか…」
相手が美女という動機もあるが、アンリエッタがきっと悲しんでいると気づいたギーシュはルイズに尋ねる。
「…わからないわ」
「わからないって…君とあの方は幼馴染なのだろう?」
そこまで、任務を受けたあの夜に盗み聞きしていたのか。だがルイズは睨む精神的な余裕もなかった。
「そうだけど…私今の姫様のことはわからないと思うわ」
「今の?」
城を出て、トリスタニアの街を歩きながらルイズは続けた。
「ワルドとの式の途中で思ったの。私、多分今まで本気で好きになった事が無かった。だからワルドからの求婚を拒むことができたんだけど、姫様がどんな気持ちか分からないと思うの」
「そうなのかい?」
「たぶん、ね…」
いつものような虚勢も自信もなくルイズは答えた。
「ふ〜ん、本気で好きになった事がない。ねぇ…」
「なによキュルケ、文句でもある?」
「別に?ただ、どの口でそんなこと言うのかしらって思っただけよ?昔はともかく、今は…」
キュルケが済ました表情でルイズを見ながら言った。そんな彼女をジトッと睨みながらルイズは口を開くが、キュルケは素っ気無く返した。だが言っている言葉の意味を理解したルイズは顔を朱色に染めてそっぽを向く。
「な、何を言い出すのよ…!今も昔も恋なんてしてるわけじゃないんだから!」
明らかに図星だった。ルイズが憧れ程度のワルドとは違って本気で惚れた相手…もうこれまでの時間を遡っても一人しか思い当たらない。
「と、とにかく今回の任務は本来極秘のものだったんだから、ちゃんと内密にしておきなさいよね」
「安心なさい。口は固いほうだから」
ツンツンした態度をとるルイズからの言葉に、キュルケは屈託のない笑顔でルイズに言った。余裕たっぷりなキュルケの姿を見て苛立つルイズは踵を返し歩き出しだそうとしたところで運悪く足を滑らせてしまい、彼女は転びそうになった。
「きゃあ!?」
しかし、咄嗟にタバサが杖を振るうと、ルイズの体は一時的にレビテーションの魔法をかけられ宙に浮いた。
「足元に気をつけて」
「あ、ありがとう…タバサ」
床に下ろされ、照れながらもルイズはタバサに礼を言った。
「任務のこと以上にダーリンがいないからって気力が抜けちゃったんじゃないかしら?」
見るからにからかってきているのが目に見えているキュルケの言葉にルイズは顔を真っ赤にした。
「ちちち、違うわよ!あんな犬のことなんか!」
犬…もとい
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