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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
再会-リユニオン-part2/タルブに眠る先人
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ちのことだけは話さなかった。ハーフエルフとはいえ、彼女らは恩人、恩人を貶めるような真似はそれこそ貴族としての沽券に関わる…ということにしている。
「裏切り者を使者に選ぶなんて…私が自らの手でウェールズ様たちのお命を奪いにかかったようなものだわ…しかも、あなたたちの命さえも…」
ワルドのこれまでの功績と礼儀は、国の重役たちから一目置かれるほどでアンリエッタ本人からの信頼も厚かった。その信頼が、まさか自分の恋人であるウェールズを誘拐し、はては婚約者であるルイズをも裏切り殺そうとするなんて愚行を働いたことにひどくショックを受けた。
「私はやはり愚かな王女だわ。ウェールズ様を裏切り者に拐かせ、結局幼き日からのお友達を死地に追いやり、死なせるところでした。間違いだった…最初から…」
アンリエッタはルイズたちに今回の任務を与えたことをひどく後悔し、嘆き悲しんだ。
ルイズはやるせなくなり、無力な自分=ゼロである自分を恨んだ。
あの時、まだウェールズは勝利を諦めていなかった。グレンたち空賊団の助力なくしては最初から勝ち目のない戦いを強いられることになっていただろう。その可能性を直接潰したのは、自分たちだ。それに、ルイズは気づいていたことがあった。アンリエッタがウェールズに宛てた手紙の内容のことである。任務を与える際に双月を見上げた時の赤く染まった姫の顔で、その内容がゲルマニア皇帝との婚姻以外にもあったことに。
「姫様、やはり皇太子さまに亡命を?」
もう一つの可能性とは、ウェールズが万が一生き残る可能性だ。アンリエッタは、涙をぬぐいながら頷いた。
「わたくしは彼を愛していた。だから生きて亡命して欲しかった。結ばれずとも何かしらの形で傍にいてほしかった…」
涙を流しながら笑うアンリエッタを見て、ルイズは申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
「申し訳ありません姫様……手紙を奪われ、皇太子さまを目の前で…一番の責任は私にあります。あのワルドを…見抜けなかった…」
表情を伏せたまま、ルイズは身を震わせた。
「いえ、いいのです。あなたへ与えた任務は手紙の奪還、亡命の薦めは入っておりません。それに…」
アンリエッタは首を振って答えると、目じりに涙が残る顔でルイズ達に笑顔で向き直ると、自分の前に跪いていたルイズをそっと優しく抱きとめた。
「そのような危機に陥りながらも、あなたたちが戻ってきてくれた。今の私には、それだけで十分よ…ルイズ」
「姫様…」
「ごめんなさい…ごめんなさいルイズ…」
ルイズは、今度はルイズの無事を喜ぶ意味が込められた涙を流すアンリエッタからの抱擁を受けて、より一層胸が締め付けられ、ついに涙が止まらなくなってしまった。
その後、ルイズはアンリエッタからせめてもの侘びの印として、水のルビーともう一つ、ゲルマニア皇帝との婚姻でぜひルイズに
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