再会-リユニオン-part2/タルブに眠る先人
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れず、寧ろ失ったものだらけな旅だった。
ラ・ロシェールでの失敗と、サイトとゼロの間に掘り込まれた亀裂、ワルドの裏切りで一気に引き起こされた王党派と炎の空賊の敗北と滅亡。さらにはルイズとの亀裂さえも起こる始末。
(俺はこれからどこへ行けばいいんだ…?)
もう何もなくて何もできない、異世界に一人取り残されたサイトは苦悩する。
ひとまずシュウを探してみようか?同じウルトラマンで、あのテファって子の使い魔である彼の協力でウエストウッド村に居ついていいか尋ねようか。それなら、何とかこの先も生きていくことくらいはできるかもしれない。テファもとてもいい子でかわいいし、子供たちもかなりやんちゃだったが悪い子たちじゃないからきっと居心地もいいだろう。フーケについては目をつむろう。あいつも好きで盗賊をやっていたわけではなさそうだし、テファがあれだけなついているほどの女性なら…。って待てよ?そのフーケは盗賊稼業で金を稼いでいたが、ああ見えて大喰らいのタバサがお代わりを許されなかったのだ。あの村の財産は無尽蔵ではなく、寧ろ生活費は圧迫されていると考えるべきだ。きっとシュウが来る以前もそれに苦しまれていただろうし、そんな中で彼を使い魔として召喚した時はもっと圧迫さることになったはずだ。そんな村に俺のようなはぐれ者を置いてくれる余裕なんてないはずだ。迷惑になるし、やめておこう…。
地球に帰ろうか?けど、どうもルイズに刻まれた使い魔のルーンが二人を繋ぎとめる鎖や杭のようにもなっているせいで二心同体の状態のまま、分離することができない。いや、理由はわからないが彼は以前、『光の国には帰れない』と言っていた。つまり、帰る場所は地球だけに絞られる。いや…まてよ…。
(地球ってどこだよ…?)
そうだ。思えばこの世界が地球からどれだけ離れているかだなんて全く分からないじゃないか。この世界に来たときはルイズの召喚のゲートに飛び込んだだけで別にこの世界の位置が分かっていたわけではない。ゼロにあえて頼んで変身し、宇宙に飛びだしたところで当てもなく宇宙をさまよう可能性大だ。そのうえ宇宙は侵略者や危険な怪獣がわんさかいるに違いない、無法地帯だ。地球の正確な位置が分からないため、のたれ死んでもおかしくない。
完全に…『ゼロ』。何もできず、どこにも行けず、何も持っていない。ある意味無能者と言う意味でゼロと呼ばれていたルイズ、本名でもあるが同時に周囲への配慮がないゼロ。この二人と同様に今のサイトもまた一つの『ゼロ』だった。
…だめだ。もう俺はこの世界でも居場所がない。
一方で、サイトと体を共有しているゼロも、気落ちしていた。ワルドの、自分のようなウルトラマンの存在を疎ましく思った発言にムキになって見返そうとしておきながら、見返すどころか街をなんともひどい有様に変えてしまった上に、自分の失敗で多く
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