羨望-エンヴィ-part3/羨む少年、羨まれる青年
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ああ、俺の人生て…結局なんだったのだろうか。全然笑えもしない形の不幸ばかりが降りかかり続け、たまにいいことがあったと思ったら一気に絶望のそこへと叩き落とす。
こんな残酷な世界で、俺は何のために…。
「きゃああああああ!!」
仲間たちが悲鳴を上げ、残された両腕で己の身を覆って見せた一方で、サイトは自分のこれまでの人生を振り返った。自分はこの世界に来て、かつての辛い過去を清算できるほどの力を手に入れた。だが…結局大したこともできず、こうして仲間たち共々食われていくのをまっているだけしかできなくなるだなんて…。
アリゲラの鋭い牙の生えた口が開かれルイズたちを食らいつこうとした、その時だった。
アリゲラとサイトたちの間に紅き光の弾が飛来し、サイトたちを食らおうとするアリゲラの前に、人の形を象りながら立ちふさがった。
「グギギ…!?」
人の形から、やがて赤いオーラを纏った銀色の体の巨人が、手から放たれる念力でアリゲラの動きを封じ、指一つ触れないまま押し出していく。
「オオオオオオオオ…!!!」
眩い光で一度目を閉じたルイズたちだが、目を開いてその光の正体を確かめた。
「ウルトラマン…!」
「た、助かった…はあ…」
光り輝くその背中を見てキュルケは安心の笑みをこぼし、ギーシュは深いため息をついた。
紅きオーラ〈オーラミラージュ〉を身にまとったウルトラマンネクサス・アンファンスは己の身を包むオーラを解くと同時に、手刀を叩き込んでアリゲラを地上へと叩きとおした。
「フン、デアア!!」
「ゲアアアアアア!!?」
脳天に重い一撃をくらい、くるくると回転しながらアリゲラは地上へと落ちていき、激しい土しぶきをあげながら地上へと落下した。それを追って、ネクサス自身も地上へと降り立ち、ちょっとよろめきながらも立ち上ってきたアリゲラの方を向いた途端、ただちにジュネッスブラッドにスタイルチェンジし身構えた。
せっかくの得物を目の前に邪魔をされたアリゲラはひどく怒り、ネクサスを次の標的と定める。
「…」
サイトはシルフィードの背から、仲間たちと共にアリゲラと対峙するネクサスを見守った。
そして、昨日シュウと会話した時のことを思い出す。
昨日みんなが寝静まる前、仲間たちがテファたちと村の小屋で話している一方で、サイトは隣に立つシュウに対して、まるで気力を亡くして死にかけたような様子でシュウにこう告げていた。
「なあ…俺は、どうしたらあんたみたいになれるんだ?」
サイトにとって、シュウは男としてもウルトラマンとしても理想的な姿をしていたところが多々あった。禁欲的で、特に自分と違って要らないこだわりをいだくことなく、自分以外のために己が身が傷つくことをいとわなかった。失敗らしい失敗をしているようなところだな
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