暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
羨望-エンヴィ-part3/羨む少年、羨まれる青年
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う話をよく耳にする。おそらく、あいつらを狙う刺客が放ったものだろう。だったら、俺が選ぶべき選択は…」
輝くエボルトラスターを見て、シュウは頷いた。
「…いいさ、行っといで。けど、あんたがあの子の使いまである以上、最優先事項はわかってるよね?」
マチルダからそう問われると、シュウは無言のままサイトたちが飛び去った方角を振り返り、エボルトラスターを鞘から引き抜いた。




シルフィードに乗って空を飛び立ってからも、やはりルイズとサイトは互を避け、一度も言葉を交わさなかった。あまりにキリキリとした空気だった。特にこの空気はまっさきに耐え切れなくなったギーシュは声を漏らした。
「そ、それにしてもみんな無事で…よかったんじゃないかな〜」
なんとかこの空気を軽くしようと思ってギーシュがわざとらしい笑みを浮かべて皆の無事を喜んでみたのだが、サイトがドスの入った声で言った。
「誰かさんはそう思ってねえみたいだけどな…」
う、と息を詰まらせるギーシュ。その誰かさんとは、紛れもなく彼のご主人様なのだろう。
「そ、そんなことはないだろ?なあルイズ」
「…知らないわよ」
ルイズはトゲのある物言いで話を切ってしまった。余計に空気が張り詰めてしまったようにしか思えない。とはいえ、キュルケ自身もこの空気にずっといても平気と言えるほど図太くはない。まったく、どうせいつものように痴話喧嘩したのだろうと思っているのだが、いい加減同じ空気の中にいる自分たちのみにもなって欲しいものだ。どの道ギーシュではなんの解決も導き出せないだろうから、自分が一言言ってやろうとサイトとルイズに声をかけてみることにした。
「ねえルイ…」
すると、タバサが急にシッ!と唇の前で人差し指を突き立てた。
「何か聞こえる」
そう言われてキュルケが、そしてみんなが周囲に耳を傾ける。聴こえてくるのは、夜風が吹く音だけだ。何も聞こえないじゃないか。
「…いや、タバサの言うとおりだ。何か聞こえる」
サイトも、なにか聞こえていたらしく、夜の闇の中へ耳を澄ませていた。この聴力も、皮肉にも彼と同化を果たしているゼロのおかげなのだが。
「…!タバサ!右へよけろ!」
「…!シルフィード!」
サイトから怒鳴られたタバサは反射的にシルフィードの名を呼び、直ちに右方向へ避けさせた。瞬間、シルフィードのすぐ左方向を巨大な何かが、まるでジェット機のような勢いで通り過ぎた。その風圧の余波が、シルフィードと彼女の背中に乗るサイトたちをも襲った。
「きゅい…!!」
シルフィードは誰も振り落とさないようすぐに持ち直そうと翼を羽ばたかせ、かろうじて体制を整えた。
「な、何!?」
何が起こったのか理解できず、ルイズが声を上げる。
「やばい!!怪獣が、俺たちを追ってるんだ!!」
目を凝らし、サイトは闇の中
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