暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
羨望-エンヴィ-part3/羨む少年、羨まれる青年
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て次々と子供達が「私とも遊んで!」「僕ともお話してよ!」と口々に言った。子供たちに対して特に分け隔てなく対応したキュルケは快く笑みを見せた。
「タバサおねえちゃんも、次に会うときは面白い本を読んで!」
「…約束」
普段は笑みを見せなかったタバサも、ジムからそう頼まれ、僅かに笑みをこぼした。
「それにしても…彼があなたの使い魔なのね」
この日、昨晩にはシュウが戻ってきていたので彼もテファの隣に立ってこの場に同席していた。容姿端麗にして、サイトとは逆方向に沿ったサラサラな黒髪と、無愛想なその顔がかえって彼のストイックかつクールさを押し出している。すぐに恋を患ってしまうほど熱しやすいキュルケが黙って見ているはずがない。
「ねえ、あなた…微熱に興味はないかしら?」
やはり思ったとおり、キュルケはシュウの右手に手を回して口説き落とそうとした。もしかしたらワルドに一度口説きを断られ、自分に磨きがなくなっているのではと内心では疑ってもいたりしたのである。
「!?」
いきなりシュウが口説かれたという現実に、テファは顔を真っ赤にして動転し言葉を失ってしまう。…が、キュルケにとって今度の相手も悪すぎた。
「興味ないな」
「な…」
ワルドの時とほぼ同じ反応。シュウはキュルケの腕を振りほどいた。しかも、ワルド以上にグサリとくる物言いで止めを刺された。
「俺はあんたみたいにすぐ男を乗り換えるような尻軽女に惚れる気は全くない」
ドスッ!!!
どこからか剣がぶっ刺さる音が聞こえてきたような気がした。あのワルドでさえ冷たくあしらってきたとは言え、まだ紳士的な態度を崩さなかったのだが、この男は真っ向から全面的に言葉からも否定してきた。
「し、シュウ…何もそこまで言わなくても」
せっかくのお客さんに対して失礼ではないかと言うテファ。しかし彼は態度を変えずに言う。
「言われたくなければ矯正するばいいだけの話だ」
「…いいさテファ。別に好きに言わせていいの」
そう言ってきたのはマチルダだった。学院にいた頃からキュルケの悪い癖を何度も聞いたことがあるから、これくらい言ってしまっても大した問題じゃないと断定していた。
「姉さんまで…」
「…ふん、上等じゃない」
むしろ燃えてきたわ。そういった時のキュルケは、余裕有りげな笑みのようではあるが、こめかみに青筋を立ててわなわなと震えていた。昨日は自分が年増呼ばわりした女にまでこうも言われ、さらに機嫌が悪くなっているのが見え見えだった。
ああ、やっぱり怒ってらっしゃる!大丈夫かな…とテファは感情の高ぶりのあまり背後で業火の炎を燃え上がらせている(もちろん幻覚だが)キュルケに戦慄した。
一方で、ギーシュは気がかりなことを口にした。
「それにしても…二人共ヤケに言葉を交わし合わないね」
そう、サイトとルイズのこ
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