羨望-エンヴィ-part2/ルイズとサイトの離別!?
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に手を貸したようなもんだった。あいつらは俺に憑依して俺の心を操って、今まで以上にツルギを憎む心を膨らませたんだ」
憑依…つまりウルトラ戦士同様体を一体化させられたのだ。
サイトがすでに自分以外に憑依されたと言う点では前科持ちだったこともそうだが、まさかあのバルタンにこのような形で狙われていたとは思いもしなかった。
『その後、一体どうやって助かったんだ?』
「もちろんウルトラマンに助けてもらったよ。よりによってツルギ…ヒカリだったけどね」
脳裏に、ヒカリの金色に輝く剣がバルタンを真っ二つに切り落とした姿は今もなお覚えている。一度間を開け、サイトは告げた。
「あの事件の後、ツルギ…ヒカリは仇ではあるけど、俺に大切なことを気づかせてくれた命の恩人にもなった。憧れさえも不思議と沸いてきて、いつかGUYSに入って、返しきれない恩を返していきたいって思ってた。けど…」
俯いてギュッと手を握ったサイトは、悔しさをそのまま口に出した。
「俺は……思ってるだけで結局そのままだった。学校の成績、あんな事件があったのに全然はかどらなくって…。GUYSに入るなんて無理な話になってた。
ルイズに召喚されて、ゼロと同化してガンダールヴの力も手に入れて…。俺は何でもできるんじゃないかって、心の中で舞い上がって、お前に偉そうな口だって遠慮なく叩いても…。もうお前に頼りたくないから結局自分で何とかするしかないんだって、俺一人の力…ガンダールヴの力だけでワルドに勝って、家族を失ったあの時の俺とは違うんだって、成長したんだって証明したかった。
でも…結局自分の力を測れなくなって突っ走って、結局思いこむだけのド素人の高校生一人じゃ、怪獣をどうこうできるはずもなければ、王党派の人たちを守ることだってできやしない。ましてや…ワルドに勝つことだって…」
夜空を見上げるサイト。ラ・ロシェールを訪れたあの日の夜は二つの月が重なった日。その日にアルビオンはハルケギニアに最接近する。その日は過ぎてしまったため、わずかに二つの重なり合っていた月は別れようとしている。地球の月のように青白い輝きから、元の赤と青の輝きに戻ろうとしている。サイトは思わず手を伸ばしそうになった。その手に掴まなければ、元の世界に戻れないような気がした。月が重なった時の輝きが、地球の月のように見えていた。二つの月が離れようとしているのは、まるで自分の世界が遠のいてしまうかのように思えた。
ああ…話をしているうちに、故郷を思い出さずにはいられなくなった。下らないことだらけだがやりたいことだってたくさんある。インターネットや漫画とかゲームだってまだやり足りない。ハンバーガーをたらふく食いたい。
義母は元気だろうか。クラスメートは、この世界に来る直前まで一緒にいた高凪さんは無事だろうか。地球は平和でいてくれているだろうか。
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