羨望-エンヴィ-part2/ルイズとサイトの離別!?
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が、頭の中に聞こえてきた。ラ・ロシェールへの旅の道中でのワルドの言い分に憤りを覚えていたゼロだが、今はもうすっかり落ち着いていた。冷静になった今なら、あの時の自分の思い上がりが大きな間違いにつながったことを理解した。
そして…彼が『以前に侵していた大罪』の重さも…。
『どうして、お前は他人を守ることに拘ってたんだ?なんで、ルイズたちを守ろうと思っていたんだ?』
サイトと同化し、彼の行動と人となりを知っていくうちに、疑問に思っていたことだった。こいつは別に、自分とは違い生まれながらのウルトラマンでもなければ地球防衛軍の隊員でもない。にも拘らず、今まで彼は危険を顧みず、体を張って星人や怪獣と対峙し続けてきた。その行動の原動力になっているものを、知りたくなっていた。
「…俺さ、四年前の中学一年の5月20日に家族を失ったんだ」
サイトは、物語を読み聞かせるように、昔のことを静かに語り始めた。
『…』
「あの日、ボガールって怪獣が現れて町が大騒ぎになって、街がぶっ壊されてさ。何度もウルトラマン早く来てって、あの時は何度も叫んだ。でも…来てくれたってのに」
サイトの表情が歪み始めていた。
「大事なものを全部…奪われたんだ。ウルトラマンに」
『え…!?』
大事なものを…ウルトラマンに奪われた!?
一体どういう意味だ。サイトはウルトラマンに対して強い信頼と憧れを抱いているはずなのに、逆にウルトラマンを憎んでますみたいなことを言いだしている。ゼロは、密かに話を聞いていたデルフもまた驚いていた。
「青いウルトラマン『ヒカリ』、その時はツルギって違う名前だったけど、あいつが怪獣を倒すために撃った光線が空振りして町に当たって…その時の爆発と建物の崩落に俺の両親が巻き込まれたんだ」
『ヒカリ…!』
ゼロも、ウルトラマンヒカリのことは知っている。光の国では主に科学者で占められているブルー族の中で数少ない宇宙警備隊員であり、初のウルトラ兄弟入りを果たした青いウルトラマンの名前だ。かつて、これまでのウルトラ兄弟が命を失いかけた際にその復活の技術として、『命の固形化』…つまり新たな命を生物に吹き込む術を編み出したとも言われている。その功績を認められて胸にウルトラ兄弟No.1『ゾフィー』と同様にスターマークを胸に刻まれた偉大な功績者。
しかし、地球では最初からよい目で見られていたわけではないのは、ご存じの人もいるだろう。
「ツルギは、同胞であるメビウスさえも巻き添えにボガールを倒そうしやがった。普通考えられないよ。自分の仲間ごと敵を殺しにかかるウルトラマンだなんて。だから、俺はツルギをもっと憎んだ…」
かつてのサイトの家族に起った悲劇を、彼の口から語られたエピソードを聞いていたゼロとデルフは、決して聞き逃すことはなかった。
(そのこともあって、トリスタニア
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