羨望-エンヴィ-part2/ルイズとサイトの離別!?
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を挺して街を守ったことで、街の被害を抑えた。
(それに引き換え、俺は…)
なんてダメな奴なのだろう。今回の旅で俺は一体何をしていた?何もこなせず…何も守れず、ただそこにいただけじゃないか。
「相棒」
「…んだよ」
鞘から顔を出してきたデルフがサイトに話しかけてきたが、サイトはそっけなく返した。
「なんでい、冷てえな。おめえさんにそんなクールなキャラは似合わねえぞ」
「ほっとけ…」
サイトは、シュウが羨ましかった。自分…いや、自分たちとは違う。自分たちのような情けない失敗なんて犯していないと言う事実を羨んだ。
「城で起こったことはおめえさんのせいじゃねえさ。ゼロがラ・ロシェールの街であんなことをしちまったんだ。そりゃ、おめえさんが変身を拒むのも無理はねえ。誰のせいでもねえよ」
「違う、デルフ…俺のせいだ…何もかも…」
ゼロは自分を認めさせようとするために、街の被害を顧みずに戦った結果、ラ・ロシェールの人たちに多くの犠牲を出し、生き残った街の人たちからから死神・悪魔・疫病神のように罵倒された。
自分は、そんなゼロを見限って意地を張り、ゼロの力に頼らず自分だけで何でもやろうとしていた。たった一人で、それも元はただの一般人の高校生だった自分ごときが、怪獣や星人と言った人外を相手にしようとしたところで、冷静に考えれば結果など目に見えているはずだった。なのに、俺はそのくだらない意地と憤りに拘って…皇太子様やグレンたち炎の空賊たちが…。
ニューカッスルの教会で、ワルドがジャンバードを操って攻撃を仕掛けために命を散らし、死体の山となってしまった王党派の者たちのことを思い出す。思い出すと、胸が締め付けられる。俺がゼロに対して失意からの意地を張っていなかったら、あの時仲間たちの前だったとしても変身して、あのジャンバードを止めることで皆を助けることもできただろうし、ウェールズを人質にとられて王党派を壊滅させられることもなかった!
「城の皆も、皇太子も…しかも、ワルドに……」
しかも、ルイズたちの前で無様に、あの薄汚くて卑怯な裏切者に決闘を申し込まれ、ボロ負けしてしまった。危うく、ルイズたちさえも死なせてしまうところだった。自分だけではどこまでも非力だと言うことを思い知らされた。
皮肉にも、ワルドの言う通りだ。俺のせいで、王党派側の皆の努力が無駄になった。それどころか…。
「そりゃあ…娘っ子たちの前で負けたのは悔しいだろうし、王子様たちがあんなことになっちゃあな。けど、あんまり落ち込むなよ。俺っちまで悲しくなるじゃねえか…っておい!ちょっと待っ…」
サイトは最後まで話を聞かなかった。無理やりデルフを鞘にしっかりしまいこんで黙らせてしまった。
『…サイト』
久しぶりに聞いたような気がした。一か月や一年も経った後で聞いたような感覚だった。ゼロの声
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