過去-パスト-part3/光の贖罪
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ンヒカリと肉体と魂を一体化した男…元GUYS・JAPAN前隊長『セリザワ・カズヤ』だ。彼だけじゃない。サイトを探していたアンヌも彼と共についてきていた。
「やはりバルタン星人が…済まないメビウス。調査中で宇宙に飛んでいたのだが、地球に迫ってきていた奴をみすみす取り逃がしてしまい、君に苦労を掛けてしまった」
背後に立つミライに、セリザワは一言謝罪を入れた。
サイトは、バルタンに操られた状態のまま虚ろな眼差しでセリザワを見る。自我を保っていなかった状態ではあったが、初めて会った気がしなかった。見ていると、なるべく心の奥に閉じ込めていた黒い感情が沸き立って行った。
『少年よ。その男はお前の両親の仇…ツルギだ。遠慮せずに撃つのだ』
「……ツ……ル……ギ……!!!」
バルタンからテレパシーで教えられたサイトの目つきが、瞬間的に変わった。鋭く、鬼気迫る形相でセリザワ…かつてのツルギに向けて引き金を引いた。セリザワはとっさにその弾丸をも弾き飛ばした。
『メビウス、ヒカリ。攻撃せずに大人しく地球から去った方が身のためだぞ?私に直接手を下そうとしても無駄だ。ほんの一瞬、私がほんのちょいと合図を送れば、この少年は…』
だが、攻勢に転じることはできなかった。彼はバルタンに命を握られているのだ。まだ助けることができる命を、見捨てることなどできない。ましてや…ここに来るまでの間にアンヌからサイトのことを聞いていたセリザワ=ウルトラマンヒカリにとってもこの少年を見捨てることなど選択肢に入れることは許されない。
(なんとしても、この少年を助け出さなくては…ここで助け出せなかったら、俺はまた新たな罪を背負って行くことになる…)
自分の方に銃を向けてくるサイトを見ながら、剣を構えるセリザワ。ババルウ星人の時に続き、こうしてまた自分が過去に犯した過ちのツケが回ってくる。覚悟はしていたが、いざ直面すると心苦しいものだ。
「サイト!」
しかし、ここでアンヌが大胆な選択に踏み切った。
「やめなさい!そんな悪い宇宙人の言いなりになってはだめよ!」
自らミライとセリザワの二人とサイトとバルタンたちの間に割りこみ、正面からサイトの前に立ちふさがったのだ。
「アンヌさん、危ない!」
ミライはアンヌに向かって叫ぶが、彼女は逃げる素振りを見せなかった。サイトは、邪魔をするなと言わんばかりにトライガーショットを向けた。
「サイト、お母さんの言うことが聞けないの!?」
怒声を浴びせるアンヌに、あざ笑うようにバルタンが言った。
『…ふん、馬鹿め。私の術はそんなちっぽけな一言で解除できん。ましてや、その少年は貴様を母とは認めてはいないのはもうわかっている。所詮形だけの血の繋がりのない親子の絆など、同胞たちのためにウルトラマンたちに戦いを挑んだ我が先人たちの無念に比べればごみも同然よ
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