過去-パスト-part3/光の贖罪
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と我らバルタンの民の共存、そして我らバルタンが地球人を守ると約束する』
「何!?」
自分たちウルトラマンが地球を去り、バルタンたちが地球をもらう見返りに、地球人をこれからは彼らが守っていく?
『我々の力で、地球人には彼と同じように幸せのみの幻覚を見せよう。そうすれば地球人は怪獣と侵略者の脅威におびえることもなくなり、自分自身が最も望む幸福を手に入れることができるのだ』
「そんなのは…違う!本当の幸せじゃない!それに、それは結局地球をお前たちの勝手で支配しようとしていることと変わらないじゃないか!」
こいつの言っていることはでたらめだ。サイトのあの様子、確かに幸せなのかもしれないが、所詮まやかしであることに変わりはない。幻想に縋って満足したところで、それは人間として大事なものを自ら捨ててしまうことと同義だ。ミライは再びバルタンの言葉を否定し、トライガーショットの銃口を向けた。
『我らの要求を拒むと言うのか?メビウス。どうも自分の立場が分かっていないようだな』
バルタンは銃口を向けられてなお余裕の態度を崩さなかった。両手のハサミを前に突き出すと、両手からキリキリと音が響く。その音はミライにはなんともなかったのだが、効果が及んだのはサイトだった。彼はミライに近づくと、トライガーショットを掴み、何と自らの喉に銃口を当てたではないか。
「サイト君!?」
『メビウス、確かにお前の考えている通り、我々は再び地球を手にするため、そして地球人とウルトラマンへ今度こそ復讐を果たすためにやってきた。だが、何も地球人を絶滅させようとは全く考えていない。寧ろ、滅ぼしてしまってはかえって我らバルタンにとっても損失となる。
奴らは、大事な家畜とするために生かしておかねばな』
「バルタン星人…!!」
守ってきた人間たちを家畜扱いされ、ミライは露骨に嫌悪感を露わにする。じっと集中して睨み付けるミライの隙を突いて、サイトはミライからトライガーショットを奪った。
『近づかない方が身のためだ。お前自身かこの少年の脳天か…どちらかが貫かれることになるぞ』
バルタンがそう告げたときのサイトは、驚くべき行動に出ていた。自ら銃口をこめかみに押し当てていたのだ。
「止めるんだサイト君!!」
ミライは呼びかけてサイトの目を覚まさせようとしたのだが、虚ろな目で未来を見つめたままサイトは、ミライに向けてトライガーショットを発射する。弾丸は、まっすぐ未来の胸元の中央…ちょうどウルトラマンたちのカラータイマーと同じ部位に向かって直進した。ミライの胸が貫かれようとしたその時だった。トライガーショットの弾丸はミライに直撃する寸前で切り落とされた。
『ぬ!?貴様は…!』
「ひ…ヒカリ!!」
サイトとミライの間に、武骨な風貌を持つ男が金色の短剣を持って立っていた。ツルギ…いや、ウルトラマ
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